リーダーウォークってどう教えるの?しつけのやり方や練習法について
犬のお散歩時のしつけで「リーダーウォーク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
実はリーダーウォークは、犬にはじめに教えるべきしつけと言っても過言ではないほど、大切なものです。
今回はそんなリーダーウォークを教えるメリットと、練習法について解説します。
目次
信頼関係構築の第一歩!リーダーウォークとは?
まずはじめに、リーダーウォークとは「飼い主が主導権を握り、犬が飼い主に寄り添って歩くこと」をいいます。
かつてはよく言われた「犬は群れ社会の動物なので、飼い主がリーダーシップを取る必要がある」という理論。
現在では、その考えは少し柔らかくなり、犬のしつけでは「コミュニケーションと信頼関係の構築が重要」という認識に変化してきました。
では、リーダーウォークで言う「主導権」を握る必要はないの?というと、そういう訳ではありません。
リーダーウォークは、「犬との信頼関係をしっかりと構築し、先導してあげる歩き方」と言い換えても良いでしょう。
飼い主さんへの信頼がなければ、犬は自由気ままに動き回ってしまいます。
すると、本来であれば未然に防げた事故や拾い食い、他の犬との喧嘩をしてしまうこともあるかもしれません。
「飼い主さんのすぐ側にいれば安心だ!」
このように愛犬が思ってくれれば、リーダーウォークはマスター出来るようになります。
リーダーウォークは、飼い主さんへの信頼の第一歩。
マスターすることで、愛犬との信頼関係の構築につながり、他のしつけの際にも大いに役立ちます。
リーダーウォークをマスター!その最終目標は?
リーダーウォークをマスターしたと言える最終目標は、下の5つの項目をしっかりと行えるようになることです。
リーダーウォークの5つの基準
- 飼い主さんの指示した側を歩けるようになる
- 飼い主さんよりも前に出ないように歩く
- 飼い主さんの方向転換に合わせて、ポジションを守ったままついてくる
- 飼い主さんが止まった際に、自分もその場に止まり待機する
- 飼い主さんが歩き出したタイミングで、自分も歩き出す
実は、多くのリーダーウォークトレーニング方法で解説されるのは、犬を飼い主さんの「左側」につかせて歩くというものに統一されています。
ではなぜ、今回「飼い主さんの指示した側」という基準を設けたのかというと、通説のリーダーウォークでは、一般の飼い主さんの場合、危険な場合もあるからです。
「犬が左側」は絶対ではない
そもそも、リーダーウォークの発祥は「西洋の軍隊がルーツ」といわれています。
犬は、軍用犬や警察犬として活躍してきた歴史があり、訓練される際は、右側に銃を持つ人間に合わせ、左側を定位置にトレーニングがされてきました。
この訓練法は、そのまま日本に伝わり、現在でも日本の警察犬などでは、左側について歩く訓練が行われています。
また、犬の犬種認定や、犬種標準を定める「ジャパンケンネルクラブ」が主宰する訓練競技会の中では、「犬が人に従い、左側を歩く」という課目があります。
多くのドッグトレーナーは、これを基準に訓練を行うため、一般的にも「犬は左側」という認識が広まりました。
しかし、普通の家庭犬のお散歩では、愛犬を左側で歩かせることで危険となる場合も多々あります。
例えば海外であれば「車は右側通行、歩行者は左側通行」と定められた国も多いですが、日本の交通ルールでは、歩道・車道の区別がない道の場合「車は左側通行、歩行者は右側通行」と逆のルールになっています。
歩道で歩いている場合でも、左側から歩行者が歩いてきて、右側に寄った方が安全な時もあるでしょう。
そんな時、愛犬を右側で歩かせることが出来なければ、事故や怪我につながってしまうかもしれません。
ですので、一般的な家庭犬としてのリーダーウォークトレーニングでは、左右どちらでも飼い主さんが誘導した側を歩けるようにしておくことが大切です。
いざ実践!愛犬にリーダーウォークを教える手順とコツ
まずは道具選びをしよう
リーダーウォークを教える下準備として、まずは道具を準備しましょう。
必要な道具は、リード、首輪またはハーネス、そして出来た時にご褒美として与える愛犬の大好きなおやつ。
首輪やハーネスはどちらを使用しても構いませんが、愛犬に適したものを選びましょう。
普段のお散歩で「引っ張り癖」がある子や、首に疾患があったり、首が弱い犬種の場合には、身体への負担を軽減するため、ハーネスを使用する方が良いです。
また、しつけによく使われる道具として、クリッカーを使用すると習得が早くなる場合もあるためおすすめです。
練習はお家の中でスタート
犬にとって、外は刺激が多い世界。
いろんな場所から音やにおいがするので、テンションが上がって練習どころではなくなってしまう子もいるでしょう。
なので、はじめはお家の中で練習をするのがおすすめです。
飼い主さんが立った状態で、おやつを手に取り、愛犬が飼い主さんのすぐ横で待機できるようになったらご褒美を与えましょう。
飼い主さんの側で待機することができるようになったら、今度はおやつを持ったまま家の中を歩きます。
愛犬がしっかりと飼い主さんの横についてくることが出来れば、おやつをあげるといった形にし、徐々に距離を伸ばしていきましょう。
アイコンタクトを取りながら練習しよう
リーダーウォークの練習では、アイコンタクトは非常に重要です。
飼い主さんと犬が「しっかりとお互いを意識しながら歩く」ということを念頭において練習してくださいね。
外での練習は根気強く
室内ではついて歩くことが出来ても、やっぱり外に出ると誘惑がいっぱい。
はじめのうちは、興奮してしまうのも無理はありません。
けれど、飼い主さんは常に冷静に対応してください。
もし、愛犬がグイグイと飼い主さんより前に出たら、飼い主さんはその場で何も言わず立ち止まりましょう。
この時、声をかけないことがポイントです。
リードが張って、前に進めないと自ら気づいた犬が、飼い主さんの側に戻ってきたらしっかりと褒めてあげます。
そしてまた歩き出し、犬が前に行ってしまったらこれを繰り返します。
リーダーウォークはその犬の性格もありますが、すぐに出来るようなものではありません。
習得には根気が必要ですが、愛犬との信頼関係構築のためと思い、頑張りましょう!
リーダーウォークを習得して愛犬との散歩を快適に
刺激の多い外ではしゃぐ愛犬の姿は、なんとも可愛らしいものです。
しかし、あまり自由にさせ過ぎてしまうと、その分危険な目に合うことも増えてしまいます。
愛犬の身の安全を守るためにも、リーダーウォークは必要なしつけです。
一般の飼い主さんでは、競技会を目指すほど、厳格にする必要はありませんが、最低限自分の側で、コントロールしながら歩けるようにしておきましょう。
愛犬との信頼関係を高め、快適なお散歩を楽しんでくださいね。