アフガンハウンドってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

アフガンハウンド

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 必要
Afghan Hound

アフガンハウンドってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

アフガンハウンドの基本情報

英名 Afghan Hound
原産国 アフガニスタン
寿命 12歳〜14歳
サイズ 大型犬
体重 26kg〜34kg
体高 オス:68cm~74cm
メス:63cm~69cm
分類 10G:視覚ハウンド

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

アフガンハウンドの歴史

アフガンハウンドの歴史

アフガン・ハウンドは、その名の通りアフガニスタンを原産とする長毛の大型犬です。
細く長い足や細身な体形、面長な顔立ちが特徴的で「犬の中の貴族」とも呼ばれるほどに優美な見た目を持っています。
その歴史は長く、現存する犬種の中でもかなり古くから確認されている犬種の一つで、一説によると紀元前4000年頃にはすでにアフガン・ハウンドの存在が確認されていたといわれています。
祖先犬はペルシャのサルーキと考えられており、アフガン・ハウンドはその容姿の美しさをはじめ、スピードや忍耐力、高い視力などを受け継いでいます。

優美な外見に反し、その能力の高さからアフガン・ハウンドは猟犬として存在していました。
険しい山岳地帯や砂漠に適応した結果手足の裏は大きく発達しており、厳しい気温差のある地域で育ったため、現在のような通気性と保温性を併せ持つ独特の長い被毛を持つようになりました。
アフガン・ハウンドは「サイトハウンド犬種」として優れた視力を生かした猟を得意としています。
追う獲物はウサギやガゼル、ヒョウといった俊敏な種類が多く、サイトハウンド犬種特有の視力と優れた脚力が大いに活かされ活躍してきました。

アフガン・ハウンドのもつ気品高く、優美な外見は1900年代になると世界各地のドッグショーで注目の的となります。
一時はアフガンの国内情勢の影響を受け、絶滅が危惧されたほどに頭数が減ったものの、世界各地での人気が支えになり、絶滅を回避することが出来ました。
日本でも1900年代頃から徐々に飼育頭数が増え、都会を中心に飼育者が増加したものの、大型犬ゆえの運動量の多さ、被毛のお手入れの大変さ、日本人が考えるペットらしい人懐っこさがない事から人気は一過性のもので終わりました。
現在ではドッグショーでは見かける機会が多いものの、ペットとしての人気は下火になったままとなっています。

アフガンハウンドの特徴や性格

アフガンハウンドの特徴や性格

アフガン・ハウンドの気質は残念ながらあまり良い言葉で表されることがほとんどありません。
「プライドが高い」「頭が悪い」「懐かない」「孤独を好む」などがこの犬種を表す言葉としてよく用いられています。
しかし実際にはアフガン・ハウンドは猟というフィールドにおいて大変知能が高く、判断力に長けており優れた猟犬種です。
ただ日本国内におけるいわゆるペット、社交的な洋犬というタイプではないため、扱いにくいと感じることが多く、このように評されることが多い傾向にあります。

犬種本来の性質としてやや融通が利かない面があり、しつけはかなり難しいとされています。
他の犬種のようにおやつを見せただけで簡単になびくということはなく、しっかりと状況を判断した上で行動し、納得のできない命令には絶対に従わないという意志の強さが感じられます。
難しいからといってしつけを放棄してしまうと飼い主に対しても反抗的で攻撃的な態度を示すケースが多々出てきてしまうため、その場合はドッグトレーナーに協力してもらうことが必要となるでしょう。
しかし、アフガン・ハウンドはプロのトレーナーですらしつけが大変とされる犬種のため、そのしつけにはかなり手を焼くでしょう。

アフガンハウンドの飼い方

アフガンハウンドの飼い方

アフガン・ハウンドはその見た目の通り、プライドが高く、安易に屈しないことが犬種の魅力の一つです。
ドッグショーではこの気位の高さがかえって高く評価されるほどです。
家庭のペットとして飼う場合は、飼い主の指示に従う必要があることを理解させる事から取り組む必要があります。
しつけにはプロのドッグトレーナーの協力が不可欠な犬種ですが、前述の通りプロのトレーナーでも難しいとされる犬種のため、そのしつけにはかなりの労力が必要となります。

また大型の猟犬種ゆえに運動量も豊富です。
運動不足からストレスを鬱積させると飼い主への反抗的な態度や無駄吠え、自傷行為などが目立つようになります。

アフガン・ハウンドの魅力である長い被毛は大変細く絡まりやすい毛質をしており、特に四肢は毛量が多く、毎日のブラッシングは欠かせません。
しかし、ブラッシングを苦手とする場合も多くみられ、家庭で十分なお手入れが出来ない場合はトリミングショップの定期的な利用が必要となるでしょう。
ただし、トリミングショップでもブラッシングなどの不快と感じる行為には噛みつく、威嚇をするなどの態度を見せる場合があるので事前に説明をするなどの注意が必要です。

アフガンハウンドの毛色

アフガンハウンドの毛色

アフガン・ハウンドはあらゆる色が認定されています。
ブラック、ブラックにシルバーやタンが入ったもの、ブルー(銀灰)、クリーム、ブリンドル、レッドなどが代表的です。
顔の中心に入るマスクやドミノも正式な毛色として認定されています。

毛色によって印象が大きく異なり、日本ではクリームなどの薄い毛色が好まれる傾向にあります。
また毛色が濃くなるほど体臭を強く感じる傾向もあり、室内飼育が前提の日本の環境ではこの点も毛色を選ぶ際の重要な項目となるでしょう。

アフガンハウンドの気をつけたい病気や怪我は?

アフガンハウンドの気をつけたい病気や怪我は?

アフガン・ハウンドも他の大型犬同様、股関節形成不全のリスクが高い犬種です。
定期的な検診の受診や生活環境の工夫、適度な運動を心がけ発症を抑制する工夫が必要です。

また、この犬種は優れた視力を持つことと合わせて若年性の白内障を発症する傾向が強くみられます。
白内障は目の白濁で発症に気が付くことが出来ます。
発症後の痛みはないものの、明確な治療法がない事から、発症後は怪我や事故を防ぐよう生活に工夫をすることで乗り切るほかありません。

アフガン・ハウンドの様に細身な体形を持つ犬種は、食事直後の運動や興奮がきっかけで胃捻転を引き起こす場合があります。
食事はクレート内で与え、食後30分は運動や興奮をさける必要があります。
軽度な場合は自然治癒が可能ですが、重症な場合は開腹手術による処置が必要となりますので、状況に応じてすぐに動物病院へ連絡が出来る体制を整えておくことが大切です。

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