イングリッシュスプリンガースパニエルってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

イングリッシュスプリンガースパニエル

お散歩目安 1日60分以上
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
English Springer Spaniel

イングリッシュスプリンガースパニエルってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

イングリッシュスプリンガースパニエルの基本情報

英名 English Springer Spaniel
原産国 イギリス(イングランド)
寿命 12歳〜14歳
サイズ 中型犬
体重 18kg〜23kg
体高 約51cm
分類 8G:7G以外の鳥猟犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

イングリッシュスプリンガースパニエルの歴史

イングリッシュスプリンガースパニエルの歴史

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、スパニエル種の中でも特に古くから存在する犬種で、イギリスにおける全てのランド・スパニエルの起源と言われるほど長い歴史を持っています。
その歴史は14世紀にまで遡り、元々スペインで暮らしていたスパニエルが移民とともにイギリスへ渡ってきたことから始まりました。

イギリスへと渡ったスパニエルは、用途やサイズに応じて「ランド・スパニエル」「ウォーター・スパニエル」「トイ・スパニエル」へと分岐していきます。
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、このランド・スパニエルの血統を受け継ぎ、その高い運動能力から鳥を捕まえる狩猟のパートナーとして活躍してきました。
イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、交配が進んだスパニエル種の中でも比較的大型な犬種で、ワシやタカといった猛禽類に対しても怯むことなく勇敢に追い立て、当時のハンター達から絶大な人気を誇っていました。

19世紀になると、狩猟は「生活のために行われる狩り」というよりも「貴族の間で行われる趣味としての狩り」が主流になっていきます。
これによりイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルも貴族による品種改良が盛んに行われるようになっていきました。
中でもイギリスの貴族であった「ノーフォーク公爵」はイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの改良に尽力し、大きな影響を与えます
ノーフォーク公爵が作出した品種は後に「ノーフォーク・スパニエル」と呼ばれるようになり、現在の品種のルーツとなっています。

19世紀後半、それまで同一の犬種として扱われていた「イングリッシュ・コッカー・スパニエル」が一回りサイズが小さいことから、別犬種として登録されるようになります。
このことがきっかけとなりイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルも独立した品種として認められ、20世紀にはいると「スプリンガー」の名称を冠して正式な犬種として登録されることとなりました。

その後イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルはアメリカやカナダへと渡り、現在のように多くの国で飼育されるようになっていきます。
「スプリンガー」の名称は、弾むように走るこの犬種の動きがバネのようだと例えたことに由来しており、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルはその軽快な動きと驚異的なスタミナで、現在でも多くの国で現役の狩猟犬として活躍しています。

イングリッシュスプリンガースパニエルの特徴や性格

イングリッシュスプリンガースパニエルの特徴や性格

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、大きく垂れ下がった耳とカールを巻いた長めの被毛が特徴的な犬種です。
その走るたびになびく被毛はとても美しく、世界的にも高い評価を受けています。

性格は非常に温厚で、忍耐強く、好奇心旺盛ながら注意力があるため無駄なアクションは起こしません。
これはイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルが長い歴史の中、狩猟犬として培ってきた特性の一つともいえるでしょう。

基本的に飼い主や家族に対しては従順な性質を持ちますが、ストレスが溜まってしまうと稀に攻撃的な姿勢を取ってしまいます。
特に他の動物に対しては時折、狩猟本能が働き攻撃的になってしまうケースがあるため、子犬の頃からしっかりと社会化トレーニングを積み、しつけをおこなうことが大切です。

環境が変わることに対してはそこまでストレスを感じることはなく、旅行などに連れて行くのも問題ありません。
また元々がアクティブな性格をしているため、アウトドアなどのお供としても非常に適している犬種です。

イングリッシュスプリンガースパニエルの飼い方

イングリッシュスプリンガースパニエルの飼い方

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは穏やかな気質のため、しつけ自体に困ることは少ない犬種です。
そのため初心者でも飼いやすい犬種といわれていますが、実際には少しだけクセがあります
前述の通り、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは時折狩猟本能を覗かせ、他の動物に対しては攻撃的な動きを見せたりする場合があります。
そのため散歩デビュー時には充分な注意が必要となるでしょう。

スパニエル種の中では大型の部類に入るため、1日の運動量は多く、毎日の散歩や運動は欠かせません。
1日あたり1〜2時間程度は運動量を消費できる時間を取ってあげましょう。
また、非常に高い運動能力と豊富なスタミナはイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルが持つ特長の一つです。
時にはドッグランなどの広い敷地を利用し、できる限り自由に動き回れる環境を与えてあげることが大切です。

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは、その美しく長い被毛が特長的ですが、この被毛のケアは念入りに行ってあげましょう。
通常時でも週に数回はブラッシングを行い、換毛期にはこまめな手入れが必要となります。
抜けた毛をそのままにしておくとストレスにつながり、さらには皮膚病の原因ともなってしまいます。
長い耳は内部・外部ともに汚れやすく、散歩や食事の際にはスヌードなどを活用し、耳が前に垂れたり汚れたりしないようにしてあげましょう。

イングリッシュスプリンガースパニエルの毛色

イングリッシュスプリンガースパニエルの毛色

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルの毛色は主にレバー&ホワイトやブラック&ホワイトなどツートーンカラーになっています。
多くの個体の被毛はカールしていて巻き毛体質ですが、稀にストレートの被毛を持つイングリッシュ・スプリンガー・スパニエルも存在します。

イングリッシュスプリンガースパニエルの気をつけたい病気や怪我は?

イングリッシュスプリンガースパニエルの気をつけたい病気や怪我は?

イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルはその大きく垂れ下がった耳のため、外耳炎などになりやすい犬種です。
換毛期などには特にブラッシングを毎日行い、耳周辺のストレスを軽減させてあげます。
また、運動を得意とする犬種に多い「股関節形成不全」を引き起こすリスクも高いので高齢になってきたときには注意深く見守りましょう。

遺伝疾患としては「突発性激怒症候群(レイジ・シンドローム)」を発症する可能性がある犬種です。
レイジ・シンドロームは他の犬種でも発症が確認されている疾患ですが、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルは他の犬種よりもやや発症頻度が高い傾向にあります。
愛犬の機嫌の波が激しいと感じたら、このレイジ・シンドロームの可能性もあるかもしれませんので、一度動物病院で検査してもらうようにしましょう。

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