ブルドッグ
お散歩目安 | 1日60分以上 |
ブラッシング頻度 | 週に1回 |
トリミング | 不要 |
ブルドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
ブルドッグの基本情報
英名 | Bulldog |
愛称・別名 | ブル |
原産国 | イギリス(イングランド) |
寿命 | 8歳〜10歳 |
サイズ | 中型犬 |
体重 | オス:25kg程度 メス:23kg程度 |
体高 | 35cm〜38cm |
分類 | 2G:使役犬 |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
ブルドッグの歴史
イギリスでは13世紀から700年にもわたる長い期間「Bullbaiting(牛いじめ)」と呼ばれる見世物が流行していた歴史があります。
この見世物は、杭に繋がれたブル(雄牛)に対し数頭の犬を放ち、最初に牛を倒した犬の所有者に高額の賞金が支払われるというきわめて残忍なものでしたが、当時のイギリスではスポーツとして見なされるほど、熱狂的な支持を得ていました。
この流れの中で、牛からの反撃に耐えうる忍耐力とタフな体力、俊敏な動きが期待され誕生したのがブルドッグです。
ブルドッグは牛の足元を駆け回り攻撃が仕掛けられるよう、その体格に比べ背丈が低く作り上げられました。
そのため現在ブルドッグは中型犬に位置していますが、その筋肉質な体質により成長後の体重は18kg〜25kgと大型犬並みに成長します。
1835年、イギリスで動物虐待禁止法の改正が行われると慣習化していた様々なブラッドスポーツが規制され、ブルバイティングも類にもれず禁止となりました。
このためブルドッグもその存在理由がなくなってしまい、一時は絶滅の危機にも瀕してしまいます。
しかし、一部の愛好家の手により時代のニーズに合った改良が進められることとなり、ブルドッグは現代の姿へと変化をしていき、犬種確立への道を歩むこととなりました。
ブルバイディングが禁止されていた当時、ブルドッグは現在に比べ足が長く、機敏な動きを求められていたため胴体もややスマートでした。
しかし改良の中でペット、希少種、特徴を強調した姿が望まれると「大きな頭部」「たるんだ皮膚」「細い足に重量感のある胴体」といった外見的な強さが強調され、次第に現在のような姿へと変貌していきます。
このような特質は実はブルドッグ本来の持つ形質にはそぐわず、劣性遺伝の要素が強いものとなります。
しかし当時の交配では姿形を優先し、あえて近親交配を推奨するなどの兆候が強まっていました。
それゆえにブルドッグは先天性疾患の多い犬種となってしまい、全世界から動物虐待の批判を浴びることになりました。
この事態を受け、イギリスのケンネルクラブでは2009年に不健康の原因となる近親交配への反対姿勢を表明しています。
日本では1900年代の洋犬ブームをきっかけに、ブルドッグの飼育頭数も一気に増加しました。
当時は大変高額で取引がされ、一時は「富の象徴である強靭な犬」として人気を博します。
しかし次第に国内におけるペットに対する存在感が変化したことや、ブルドッグの飼育には様々な課題があることが明るみに出て、その後の飼育頭数は減少の一途をたどります。
現在ではその交配や、出産の難しさから国内飼育頭数は大変少なく、希少な犬種の一つとなっています。
ブルドッグの特徴や性格
ブルドッグはその特徴的な外見から、知名度が高く有名な犬種です。
企業やブランドのイメージキャラクターなどに採用されることも多く、固定化されたイメージがついています。
性格は一見温厚でマイペース、のんびりとしてはいるものの、闘犬という歴史を持つため一旦スイッチが入ってしまうと「猪突猛進」という言葉がぴったり合うほどの姿を見せます。
大変忍耐強く、飼い主から強く叱責される程度では全く意に介さない性格のため、しつけはやや困難です。
また、食べ物への執着がとても強く、時には我を忘れて催促することもあるほどです。
ブルドッグの特徴的な体型は健康管理にも様々な課題があり、細い足で重量感のある胴体を支えているため関節を痛めてしまうケースが多々あります。
ただ運動能力自体は大変高く、世界ではスケートボードやサーフィンの名手になったブルドッグがたびたび話題になっています。
ブルドッグのたるんだ皮膚は、皮膚の重なり合った部分が湿気を帯び、雑菌が繁殖しやすくなっています。
スムースコートの犬種特有のデリケートな皮膚は影響を受けやすく、皮膚トラブルは生涯にわたりケアが必要となるでしょう。
ブルドッグの飼い方
ブルドッグをペットとして家族に迎える場合は、散歩やお世話に十分な時間が必要となることを理解しておきましょう。
元は闘犬種であったため運動量は非常に豊富で、時には全力疾走をさせる必要もあります。
しかしその特徴的な体型から、運動は人間が課したペースで行うのではなく、愛犬自身のペースで緩急をつけて行うことが理想的です。
そのためドッグランなどの活用が望まれますが、多くの犬がいる場所では周囲の犬に十分配慮し、喧嘩やトラブルに発展することのないよう注意が必要です。
食事はアレルギーに注意し、良質で安全性の高いものを選んで与えます。
過度に脂肪分の高い食事は「脂漏症」などを招く原因にもなるため注意と見極めが重要です。
お手入れは家庭でのシャンプーで完了できますが、たるんだ皮膚の隙間までしっかりと乾燥させ、雑菌やカビの繁殖を予防しましょう。
ブルドッグは闘犬種という区分に該当し、かつ重量があり抱き上げが困難なことから、場合によってはトリミングショップやペットホテルなどでの受け入れを断られることもあります。
ブルドッグを飼育する際にはあらかじめ近隣での受け入れ先を把握、確保しておくと良いでしょう。
また高齢期のことを考え、往復がしやすく受け入れの対応をしてもらえる動物病院を探すことも大切です。
ブルドッグの毛色
ブルドッグといえば白地に有色の班模様が有名ですが、それ以外にもブリンドル、レッド、フォーン、ファローの単色や、単色にブラックのマスクとマズルなどが認定されている毛色です。
単色の個体は少なく、意外にも黒の単色は好ましくないとされています。
ブルドッグの気をつけたい病気や怪我は?
ブルドッグは過去に近親交配を常識とする歴史があったことから、現在でも一部の繁殖家の間ではこの手法がとられている場合があります。
そのため先天性疾患の発症率も高く、子犬の時点で心臓疾患が判明することも多々あります。
また成長と共に股関節形成不全や膝蓋骨脱臼が悪化することもあり、定期的な経過観察がかかせません。
眼病の発症率も高く、日常的に目のケアが必要になるでしょう。
その他にもブルドッグは「シスチン尿症」の好発犬種として知られています。
シスチン尿症は腎臓や膀胱で結石を作る場合があり、腎不全や膀胱破裂により最悪の場合死に至る遺伝疾患です。
治療法は食事療法やチオプロニン療法と呼ばれる薬物治療、手術などがありますが、薬物治療の場合は副作用があるため、シスチン尿症に精通している獣医師のもと治療をすると良いでしょう。