ゴードンセッター
お散歩目安 | 1日60分×2回 |
ブラッシング頻度 | 2〜3日に1回 |
トリミング | 不要 |
ゴードンセッターってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
ゴードンセッターの基本情報
英名 | Gordon Setter |
原産国 | イギリス(スコットランド) |
寿命 | 12歳〜13歳 |
サイズ | 大型犬 |
体重 | オス:約29.5kg メス:約25.5kg |
体高 | オス:約66cm メス:約62cm |
分類 | 7G:ポインター・セター |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
ゴードンセッターの歴史
ゴードン・セッターは、イギリス・スコットランドを原産とするセッター犬種の一種で、セッター種の中でも珍しいブラック&タンの毛色を持っています。
その歴史は1700年代後期、第4代ゴードン公にあたるアレクサンダー・ゴードン公爵が、狩猟の際の特別な役割を求め、独自に新たな犬種を作出したことから始まります。
当時の狩猟犬は、水辺での狩りや草むらでの狩りを前提としていたため、高い岩山では人間と一緒に立ち止まってしまうことが多々ありました。
しかしゴードン公爵は新たな犬種を生み出し、人間が立ち入ることの出来ない岩場や高い山でも狩猟に出向くことが出来ないかと考えます。
そこで求められたのが「岩だらけで悪天候の下でも、長時間の猟が継続できる強靭な体力と高い知能、運動を兼ね備えた犬種」でした。
1770年この理想の下、スコティッシュ・セッターを基礎犬にし、ラフ・コリーやブラッドハウンド、ワーキング・コリーなどの犬種が掛け合わされ作出が始まります。
しかし初期に生まれた犬はコリーの牧羊犬としての性質を強く受け継いでおり、獲物の周りを駆け回ってしまい狩猟が失敗に終わってしまうことが多々あったようです。
その後改良が重ねられ、1820年にようやく理想とされる犬種が完成しました。
初期は様々な犬種の特性を受け継ぎ、毛色もバリエーションが複数ありましたが、完成時にはブラック&タンの毛色だけが残されました。
この理由としては、外見の優美さというだけでなく、草むらや岩陰で目立たない色というメリットもあったようです。
こうして誕生したゴードン・セッターは、気質の面で様々な犬種の良い部分を受け継ぎ「コリーの高い知能」「セッターの獲物に狙いを定める能力や忍耐力」を併せ持つ優れた犬種となりました。
その後1800年代中期〜後期にかけ、ゴードン・セッターの人気は絶頂へと向かいます。
1900年代には人気も落ち着き、ピーク時に比べ頭数も大幅に減少してしまいましたが、ヨーロッパではゴードン・セッターの愛好家は未だ多く、現在も根強い人気を誇っています。
しかし残念ながらその美しい姿を日本で見られる機会はあまりなく、2014年に2頭のゴードン・セッターが登録されて以降は犬籍登録がされておらず、ごく稀にドッグショーなどで見られる程度となっています。
ゴードンセッターの特徴や性格
ゴードン・セッターは陽気で人懐っこく、好奇心旺盛な性格をしています。
セッター種特有のテンションの高さが特徴的ですが、日本では「落ち着きがない」「集中力がない」「しつけがしにくい」と言われて場合も多々あります。
家庭でのしつけも遊びの一環と捉えてしまうことが多い傾向にあり、しつけが困難と感じる場合は早期にドッグトレーナーに相談をして指導を仰ぎましょう。
子犬の頃から社会化トレーニングを心がけ、他犬や他人と触れ合う機会を作ることで、社交的で誰とでも友好的に接することの出来る性格に育ちます。
ただし非常にテンションが上がりやすいため、初対面の相手でも飛びついてしまったり積極的にガンガン近づいてしまうことが多く、散歩や外出の際には周囲への配慮が欠かせません。
ゴードンセッターの飼い方
ゴードン・セッターは本来の猟犬種としての特徴を強く受け継いでおり、大変活発で運動量が多く、知的好奇心が満たされることを常に期待しています。
そのため子犬のうちは特に大人しい、落ち着いているという事はほぼありません。
体力が多いため、日々の生活では十分な散歩やドッグランなどでの全力運動が欠かせません。
長時間の留守番やケージ内での終日飼育には不向きな犬種で、このような生活をさせてしまうとストレスが鬱積し、犬種本来の特性に反して問題行動が多発します。
十分な運動をさせるのが難しい日には、知育玩具を使った遊びなどを取り入れコミュニケーションの時間をしっかりと取り、ストレスを軽減してあげましょう。
日常的な運動量の不足は肥満のリスクも高くなり、日々の食事は大型犬というイメージにとらわれずに愛犬の運動量、体形から判断し適量を与えるようにします。
お手入れは家庭でのシャンプー、ブラッシングで完了できます。
ただし毛量が多く、換毛期の抜け毛は相当な量になります。
日本の高温多湿な環境での生活は、被毛が湿気を帯び雑菌の繁殖や皮膚炎をおこしやすいため、全身をブラッシングすることで皮膚や被毛の通気性を向上させ、新陳代謝を高めることで良好な状態を維持するよう心掛けましょう。
またゴードン・セッターは、耳が垂れた犬種特有の外耳炎発症リスクを常に抱えています。
子犬の頃から週2、3回の耳掃除を習慣化し、慣れさせておくと良いでしょう。
耳内部の汚れや悪臭は外耳炎の初期症状の可能性があるため、早期発見・治療が出来る様よく観察しておきましょう。
ゴードンセッターの毛色
ゴードン・セッターの毛色はブラック&タンの一色のみが認められています。
ただし、ごく稀にブラックの単色が誕生することがあります。
被毛は軽いウエーブがかかり、細くしなやかな手触りです。
毛量が多く寒さに強い反面、抜け毛が多いという特徴があります。
ゴードンセッターの気をつけたい病気や怪我は?
ゴードン・セッターは、大型犬特有の股関節形成不全を先天的に患っているケースがあります。
股関節形成不全の症状の進行は日常生活でも加速される場合があり、定期的に動物病院で検査を受け、状態の確認をするようにしましょう。
すでに発症が確認されている場合は「滑りにくい床材」「運動方法の見直し」「飛びつき行為の禁止」「肥満の予防」を日ごろから心掛け、愛犬の行動をしっかりと観察し、気になることはかかりつけの獣医師に相談しましょう。
また、テンションが上りやすい犬種のため、食後に腸捻転を起こす場合があります。
食後30分ほどは安静に過ごせるよう工夫が必要です。
その他、長く垂れた耳は外耳炎の発症リスクも高くなっています。
日々のケアでの耳掃除を習慣化し、定期的にきれいにしてあげましょう。