ラフコリーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ラフコリー

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 不要
Rough Collie

ラフコリーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ラフコリーの基本情報

英名 Rough Collie
愛称・別名 コリー
原産国 イギリス(スコットランド)
寿命 12歳〜14歳
サイズ 大型犬
体重 22kg〜34kg
体高 55cm〜66cm
分類 1G:牧羊犬・牧畜犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ラフコリーの歴史

ラフコリーの歴史

ラフ・コリーはイギリスのスコットランドを原産とする牧羊犬種の一種です。
ラフ・コリーという名称に馴染みが薄い場合が多く、一般的に見かけることの多い長毛種のコリーと言えば想像しやすいでしょう。
コリーには長毛のラフと短毛スムースが存在しており、被毛のタイプによって呼び名が分かれています

コリーという呼び名の起源は諸説あり「黒または石炭」を意味する古い英語という説や、顔の黒い羊の一品種から来ているという説が有力です。
同じスコットランド原産のボーダー・コリーにも同じ「コリー」の名前が付けられていますが、同じ祖先をもつ牧羊犬がこの地から数多く誕生したこともあり、コリーという名前を持つ犬が他にも多数存在しています。
単にコリーと呼ばれる場合は、このラフ・コリーを指すことが一般的です。

コリーの歴史は大変古く、2000年前にローマ人がイギリスに持ち込んだ牧羊犬が祖先だと考えられています。
当時は荷物の運搬、牧羊、水難救助と様々な役目を担い、高い知能と優れた運動能力を存分に発揮していました。
1860年代には短毛種のスムース・コリーがヴィクトリア女王に愛されたことをきっかけにさらに犬種としての特性を際立出せようという働きが起こり、スムース・コリーはイングリッシュ・グレイハウンドを、ラフ・コリーはボルゾイの血統をそれぞれ受け継がせ上流貴族のペットとしての立場を確立させました。
尚、このラフ・コリーとスムース・コリーの外見は非常によく似ていますが、遺伝学上は同じ犬種ではないと考えられています。
そのためチワワやダックスの様に同じ犬種で被毛のタイプが異なるのではなく、全くの別犬種とされています。

20世紀には映画化やテレビドラマ化された小説「名犬ラッシー」が世界的なヒットを遂げ、この小説のモデル犬となったコリーは世界中で飼育頭数が増加しました。
日本でもこの映画がきっかけになり一躍人気犬種の仲間入りを果たします。
洋犬ブームも相まって当時はラフ・コリーが時代の先端を行く象徴であり、理想の家族像を体現するシンボルでもあったほどです。
しかしラフ・コリーは大型犬ゆえに運動量が多く、高くよく通る声で鳴くことから日本の生活環境には馴染まず、次第に飼育頭数は減少傾向をたどりました。
その後、日本ではラフ・コリーによく似た外見のシェットランド・シープドッグがその人気を引き継ぎ、愛されるようになりました。
ペットとしては減少傾向となった現在でも、国内のラフ・コリーの繁殖家は数多く、血統の維持管理に努めています。

ラフコリーの特徴や性格

ラフコリーの特徴や性格

ラフ・コリーはとても知能が高く、冷静で落ち着きのある気質をもっており、飼い主にも大変従順で、牧羊の場でも多く活躍をしている犬種です。
ペットとして生活をするうえでも生活のルールを十分に身に着けることが出来、扱いやすいと高く評価されていますが、知能の高さゆえに警戒心は強く、飼い主以外の人間を遠ざける傾向があります。
洋犬らしい無邪気な陽気さはなく大人らしいふるまいを見せるタイプです。

他犬との交流は無条件に受け入れることはありませんが、日常的に顔を合わせる間柄になれば、じゃれ合い遊ぶこともできるようになります。

ラフ・コリーは成長後のサイズが20kg~34kgと大柄になり、実際の印象は細く長い足と豊富な毛量からさらに大柄に見えることもあるでしょう。
この被毛は大変密集度が高い上に、ダブルコートと呼ばれる二層構造で下毛はフェルトの様に短く生えています。
厳しい寒さに耐えうることも出来ますが、梅雨の湿気や夏の暑さは何よりも苦手な構造になっています。

ラフコリーの飼い方

ラフコリーの飼い方

ラフ・コリーは牧羊犬の血統をそのまま受け継いでいるため、日ごろから十分な量の運動が必要です。
知能が高いことから、ボール投げなどの連続した単調な遊びよりもフリスビーやドッグスポーツなど高度な遊びのほうがより得意です。
本来はとても従順で落ち着いた気質ですが、運動不足や長時間の留守番でストレスが鬱積すると問題行動を起こすこともあるので注意しましょう。

ラフ・コリーは被毛のカットが必要ないので、自宅でのシャンプーでお手入れを完了できますが、あまりに毛量が多いことから乾燥には想像以上の手間がかかります。
生乾きのまま放置してしまうと皮膚の雑菌やカビの繁殖を招き、皮膚トラブルにつながります。
必ず根本から十分に乾燥させ仕上げましょう。

しつけは大型犬ゆえに周囲の安全に配慮し徹底する必要があります。
家族だけでは不十分な場合も多く、時には専門家の指導を仰ぐことも必要です。

ラフコリーの毛色

ラフコリーの毛色

ラフ・コリーの被毛はセーブル、トライカラー、ブルー・マールなどの毛色が認められています。

最も一般的な白と茶色の被毛はセーブルと呼ばれる毛色です。
マールと呼ばれるシルバーがかった模様のある毛色は大変希少ですが、交配においてマールは劣性遺伝であることから、マール同士のペアは先天性疾患の発症リスクが高まり好ましくないとされています。

ラフコリーの気をつけたい病気や怪我は?

ラフコリーの気をつけたい病気や怪我は?

ラフ・コリーは大型犬ゆえに股関節形成不全を先天的に患っている場合があります。
症状が悪化すると歩行困難になり、寝たきりや排泄の介助が必要になる場合があるため、日ごろからこの症状の進行、悪化を防ぐためにも十分な運動をさせ、筋力を維持できるよう努めてあげましょう。

またコリー・アイ(コリー眼異常)と呼ばれる犬種特有の眼病を加齢と共に発症することもあります。
気になる異変は早期に獣医師に相談をしましょう。

ラフ・コリーを含むシェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリーなどのコリー系犬種は、主にフィラリアの予防薬に使用される「イベルメクチン」という成分が体質に合わず、危険とされています。
フィラリアの予防薬は他にも「ミルベマイシンオキシム」や「モキシデクチン」という2種類が存在します。
医師によってはイベルメクチンを処方してしまう場合もあるため、毎年の予防時にはこの点を獣医師と確認し、万全を期すと安心です。

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