パピヨンの垂れ耳タイプ「ファレーヌ」ってどんな犬?パピヨンとの違いや歴史について

パピヨンの垂れ耳タイプ「ファレーヌ」ってどんな犬?パピヨンとの違いや歴史について

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パピヨンのたれ耳タイプ「ファレーヌ」という犬を知っていますか?
生まれたばかりのパピヨンは耳が垂れていますが、生後2ヶ月ほどで自然に立ち上げるのが一般的です。
しかし、なかには成犬になっても耳が立ち上がらず、たれ耳のままというパピヨンも存在します。
今回は、立ち耳のパピヨン「ファレーヌ」とパピヨンの違いや歴史について解説します。

ファレーヌはフランス語で「蛾」という意味

ファレーヌはフランス語で「蛾」という意味

ファレーヌとは、パピヨンの種類を分類した呼び名です。
ファレーヌタイプファーレーンタイプなどと呼ばれることもあります。
海外では別犬種として分類している国もありますが、日本では立ち耳も垂れ耳もひとくくりにされています。

なお、ファレーヌとはフランス語で「夜の蝶=蛾(が)」という意味があります。
これは、フランス語で「蝶」を意味するパピヨンと対比するために名付けられたのが始まりです。
蛾というとイメージはあまり良くありませんが、フランス語の「ファレン」は綺麗な色のものを指すとされています。
日本と海外では生き物やモノに対する印象が違うので、決して悪い意味で付けられたわけではありません

初期のパピヨンはみんなたれ耳タイプだった

初期のパピヨンはみんなたれ耳タイプだった

パピヨンの名称はルイ16世の王妃マリー・アントワネットが付けたものといわれています。
ふわふわの飾り毛で覆われた大きな耳が、まるで羽ばたく蝶のように見えることから、そう呼んだのだとか。

ちなみに、マリー・アントワネットが名付ける前のパピヨンは、スパニッシュ・ドワーフ・スパニエルと呼ばれていました。
これは、もともとパピヨンが「小さいスパニエル系犬種」を作るため、品種改良を重ねて生み出された犬種であったためです。
この時のパピヨンは垂れ耳でしたが、その後ポメラニアンやチワワと交配を重ねた結果、耳がピンと立つようになったのですね。

パピヨンがファレーヌになる理由

パピヨンがファレーヌになる理由

成長する過程で耳が立ち上がらない理由は、耳の大きさや薄さ、遺伝子の濃さが関係しています。
通常よりも耳が大きかったり、薄かったりすると、耳の軟骨が重力に耐えきれず、耳が立ち上がりません。
はじめは立ち耳だったのに、成長とともに片耳や両耳が垂れてしまうケースもパピヨンの場合は珍しくないのです。

また、掛け合わされたポメラニアンやチワワの遺伝子が薄いと、もともとの垂れ耳が現れやすいといわれています。
つまり、立ち耳であるパピヨンよりもファレーヌのほうが大きいサイズになるのは、小さい犬種の遺伝子が薄いからと考えられます。
ただし、いずれも子犬の頃は垂れ耳なので、成長時に耳が立つかどうかは判断できず、成長してみないと分かりません。

パピヨンもファレーヌも性格は一緒

パピヨンもファレーヌも性格は一緒

パピヨンとファレーヌでは、性格に大きな違いはありません
耳が垂れているからといって遺伝子疾患があるわけではなく、身体的な問題も一切なし
犬の性格や見た目には個体差がありますが、あくまでその子の個性だと思って受け止めてあげましょう。

ちなみに、片耳だけ垂れているパピヨンは犬種としてのスタンダードから外れています。
骨に異常があったり、奇形だったりするわけではありませんが、ドッグショーでは認められないのです。
もし成長の過程で愛犬の耳が片方立たなかった時には、普通の家庭犬としてたくさん可愛がってあげてくださいね。

ファレーヌタイプのパピヨンはレア

ファレーヌタイプのパピヨンはレア

現在の日本では立ち耳のパピヨンが主流であり、ファレーヌはあまり見かけません。
子犬の頃に耳が立つかどうか判別することはできないので、あえてファレーヌを探すというのも難しいです。
ファレーヌタイプのパピヨンは貴重な存在なので、見かけたらラッキーくらいに思っておきましょう。

ちなみに、ファレーヌはおしとやかな雰囲気があり、優しい印象です。
性格はパピヨンらしく、明るく活発、遊び好きなので、そのギャップもまた魅力的。
耳の形こそパピヨンとは違うものの、犬種としての特徴はファレーヌもパピヨンも全く同じですよ。

ファレーヌは外耳炎に注意

ファレーヌは外耳炎に注意

ファレーヌのように垂れ耳の犬は、外耳炎に注意が必要です。
常に耳が垂れていることで通気性が悪くなり、耳の中が湿気でじめじめしがち。
湿気が多い環境は汚れが溜まりやすく、そのまま放っておくと細菌が増えて炎症を起こしてしまいます

ファレーヌと暮らす場合は、こまめに耳の中をチェックしてあげましょう。
汚れていれば耳掃除用のウェットティッシュなどでふき取ったり、イヤークリーナーで掃除して。
汚れがひどかったり、既に炎症が起きていたりする場合は、かかりつけの動物病院で処置をしてもらってくださいね。

ファレーヌかパピヨンか、成長後の姿を予想して楽しもう!

ファレーヌかパピヨンか、成長後の姿を予想して楽しもう!

ファレーヌはパピヨンの垂れ耳タイプであり、一つの個性といえます。
耳が大きかったり、薄かったりすると成長過程で耳が立ち上がりませんが、特に異常ではないので安心してくださいね。
なお、成犬時どんな耳になるのかは成長してみないと分からないので、子犬の頃から判別することはできません。
パピヨンの子犬をお迎えした時には、愛犬の耳が垂れるのか、それとも立ってくるのか、予想して楽しんでみてはいかがでしょうか。

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