犬の鼻づまりの原因は歯周病?犬の鼻水・鼻づまりの考えられる原因や対処法について
なんだか愛犬の呼吸が苦しそう・・・これって鼻づまり?
愛犬の様子を見て、こんな風に思ったことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬の鼻づまりにはさまざまな原因があり、それぞれ対処法も異なります。
今回は、犬の鼻づまりの原因と対処法、歯周病との関係性について解説します。
目次
犬の鼻づまりの原因は大きく3つある
犬の鼻づまりのほとんどは、鼻腔の炎症やアレルギー反応が原因です。
鼻水がサラサラしていれば鼻の外に排出されますが、ネバネバしていると鼻づまりを起こします。
炎症によって鼻の通り道が腫れることで鼻腔が塞がり、鼻づまりになるケースもあります。
生理現象による鼻づまり
鼻に入った異物を排除しようと、鼻水が大量に分泌されることで起こります。
ティッシュや石、草など、異物の種類はさまざまで、異物によって物理的に鼻が塞がることもあります。
老化現象による鼻づまり
歳をとると、鼻の分泌腺の機能が低下・乾燥し、炎症を起こしやすくなります。
炎症が起きると鼻腔が狭くなり、結果的に鼻詰まりを起こします。
病気が原因となる鼻づまり
特定の病気にかかると、鼻づまりがみられます。
鼻水の色は病気によって違いがあり、色を見れば原因の推測が可能です。
動物病院を受診する際は、どんな色・性状の鼻水が出るのか説明できると良いでしょう
鼻水の色から原因を推測しよう
犬の鼻水は、色や性状がそれぞれ異なります。
以下では犬の鼻水の色に注目し、大まかな原因をまとめてみました。
透明の鼻水 | 生理的な鼻水。ウイルス感染の可能性も |
黄色の鼻水 | 細菌感染による鼻水。歯周病による鼻水はドロッとした黄色 |
ピンク色の鼻水 | 鼻の粘膜が傷ついて出血している。鼻腔内腫瘍の可能性あり |
このうちもっとも多いのは、透明な鼻水です。
透明な鼻水は生理現象としてみられるのが一般的で、多くの場合心配はいりません。
ただし、ウイルス感染の予兆して現れるケースもあるため、元気・食欲等の様子はしばらく観察しておくこと。
もし変わった様子があればウイルス感染の可能性を考え、動物病院を受診することをおすすめします。
犬の鼻づまりを引き起こす病気とは?
犬が鼻づまりを起こす主な病気としては、以下のようなものがあります。
鼻づまりの原因となる主な病気
- 歯周病
- アレルギー
- 鼻炎、副鼻腔炎
- 鼻腔内の腫瘍や異物
- ケンネルコフ(伝染性気管支炎)
意外な原因としては、歯周病による炎症です。
歯周病は口腔内だけでなく、鼻腔や副鼻腔にも炎症を起こします。
すると、膿を含む鼻汁が大量に発生し、ひどい鼻づまりを起こすのです。
適切なデンタルケアをしていない場合、犬はかなりの確率で歯周病を起こします。
歯周病が進行すると顎の骨が溶けてしまい、内臓にも影響が出る可能性があるため注意が必要です。
犬の口をチェックして、赤みや汚れ、口臭などがみられる場合は、獣医師に相談しましょう。
短頭種は鼻づまりを起こしやすい
パグやフレンチブルドッグなどの短頭種は、鼻詰まりを起こしやすい犬種です。
鼻の穴が生まれつき狭いため、空気の通り道も狭く、鼻水が外に排出されにくいのです。
なお、マズルの長い犬種は鼻腔内の腫瘍ができやすいといわれています。
鼻腔内に腫瘍ができると、そのぶん鼻腔内が狭くなり、ひどい鼻づまりを起こします。
コリーやシェルティが苦しそうにしている場合は、鼻腔内腫瘍の可能性も視野にいれるべきでしょう。
鼻づまり以外の症状があれば動物病院を受診しよう
通常であれば、鼻づまりだけで命を落とすことはありません。
しかし、鼻づまりの原因には強いウイルスによる感染もあり、急激に症状が悪化する可能性も考えられます。
呼吸が苦しそう、元気や食欲がない、目やにやくしゃみも出ている場合は、診察を受けましょう。
なお、動物病院では鼻水を採取し、細菌やウイルス感染の有無をチェックします。
続いて口腔内の状態を観察し、必要に応じて血液検査など他の検査を行うこともあります。
腫瘍が疑われる場合、血液検査だけでは確認ができないため、別途レントゲン検査も行われるのが一般的です。
湿度をあげて鼻を温めると解消することも
犬の鼻づまりを解消するには、以下のような方法があります。
病気が原因の場合は、処方された薬をしっかり服用したうえで、自宅ケアをしてあげましょう。
湿度を高くする
室内の温度が下がると、鼻水が固まって鼻づまりになります。
加湿器を使い、部屋の湿度を60%前後に調整してあげましょう。
加湿器がなければ、濡れタオルや洗濯物を犬の生活スペースに近くに設置するだけでもOKです。
ツボを蒸しタオルなどで温める
東洋医学では、「山根(さんこん)」というツボが鼻づまりに有効とされています。
山根は犬の眉間から鼻先をたどったところにあり、温めてあげることで効果を発揮します。
犬が嫌がらないようであれば、蒸しタオルなどで犬の山根を温めてあげると、鼻づまり解消が期待できます。
犬の鼻づまりは原因に合わせた予防をして
アレルギーによる鼻づまりは、刺激となるものを取り除くことで予防できます。
ほこりやダニはアレルゲンになりやすいため、こまめな掃除や換気、洗濯を心がけましょう。
除菌消臭スプレーが原因の鼻詰まりを防ぐため、犬に向かって噴射するのは控えるようにしてください。
また、細菌やウイルス感染を防ぐには、免疫力を高めておくことが大切です。
普段から栄養バランスの良い食事を摂り、ストレスのない生活をさせてあげましょう。
なお、犬の場合、鼻詰まりを見た目で判断することはできません。
犬の鼻の前に手鏡を当て、曇らなければ鼻が詰まっていると考えていいでしょう。
きちんと曇るようであれば問題ないため、ぜひ気軽な気持ちでチェックしてみてはいかがでしょうか。
原因に合った方法で鼻づまりを解消しよう
ひとくちに犬の鼻詰まりといっても、実際は様々な原因があります。
どの原因で鼻詰まりが起こっているかは、動物病院で詳しい検査が必要です。
犬が元気そうであれば自宅でできる対処法を行い、他にも症状がある場合は動物病院にかかること。
愛犬の様子を日頃からよく観察し、元気な時の状態を覚えておくようにしましょうね。