犬にアボカドはNG！与えてはいけない理由と食べてしまった時の症状・対策

犬がアボカドを食べると、ペルシンによる中毒症状を起こす可能性があります。
ペルシンは殺菌作用やタンパク質代謝阻害作用を持っており、人以外の動物にとって有害性が高い成分です。
ペルシンは、主にアボカドの「種・皮・樹皮・葉」に含まれていますが、皮や種から果肉に移る可能性も考えられます。

ペルシンによる中毒症状は、フェレットやうさぎ、鳥など、さまざまな動物にみられます。
特に鳥はペルシンへの感受性が高く、少量摂取しただけで命を落とすケースも珍しくありません。
牛やヤギでは、摂取後24時間以内に乳房炎を起こすという結果が出ており、ペルシンの摂取は危険とされています。

多くの動物にとって有害なアボカドですが、犬に対しての毒性ははっきりしていません。
アボカドの中毒性に関する情報は長い間錯そうしており、専門家の間でも意見が分かれています。
毒性がある・毒性はほとんどない・毒性はまったくないなど、それぞれの見解は大きく異なっているのです。

ただ、鳥類やうさぎ、家畜動物へは中毒性がはっきりしていることから、犬への健康被害も十分考えられます。
そのため、日本の書籍やインターネット上では「アボカドは犬にとって危険である」とされていることがほとんどです。
正確な研究結果が出ていない以上、万が一を考えて、愛犬にアボカドを与えるのは避けたほうが良いでしょう。

アボカドを使ったドッグフードやおやつを見かけることもありますが、安全性は問題ないでしょうか？
アボカド入りのフードを製造している会社によると、フードにはペルシンが含まれていない部位を使用しているとのこと。
アボカドは品種によってペルシンの含有量が異なるため、もともとペルシンが少ないものを使っている可能性も考えられますね。
過去、健康被害が出た例もないことから、基本的にアボカド入りのフードやおやつは、安全性に配慮して作られているといえるでしょう。
アボカドそのものを犬に与えるのは避けるべきですが、アボカドを使用したフード・おやつを避ける必要はありません。

犬がアボカドを食べると、3日以内に胃のむかつき、嘔吐・下痢、胃炎などを起こす可能性があります。
これらの症状はペルシンの影響で起こりますが、アボカドの脂肪分で消化不良を起こした際にも同じ症状がみられます。

また、ナイロビ大学が1994年に行った報告では、ペルシン摂取後に2匹の犬が心筋障害や肝障害などの重い障害を起こしたとのこと。
致死量については研究中ですが、大量に摂取してしまった場合は命を落とす危険性があるため、注意が必要です。

なお、種ごと食べてしまった場合は、食道閉塞や腸閉塞を起こすかもしれません。
アボカドの種は大きいため、消化管に詰まったり、呼吸困難を起こしたりする可能性も考えられます。
もし愛犬がアボカドの種を飲んでしまった場合は、すぐに動物病院へ連絡の上、獣医師の指示を受けましょう。

犬がアボカドを食べてしまったときは、まず愛犬の様子をよく観察します。
アボカドを舐めたり、少量食べたりしただけでは、特に症状がでないケースも珍しくありません。
個体差はありますが、食後半日～1日たっても元気そうにしている場合は、動物病院での治療は必要ないでしょう。
アボカドへの感受性は個体差があるため、愛犬の様子から判断することが大切です。

ただし、犬がアボカドの種ごと飲み込んだ場合は、すぐに動物病院で診察を受けることをおすすめします。
アボカドの種にはペルシンが多く含まれており、果肉のみ摂取したときよりも中毒症状のリスクが高まります。
場合によっては内視鏡や開腹手術で種を摘出しなければいけないケースもあるため、できるだけ早く動物病院を受診しましょう。
ペット保険に加入している場合は、入院が必要になった場合に備え、保険証を忘れずに持っていってくださいね。

犬がアボカドを食べてしまったとき、応急処置として自宅でできることはありません。
ネット上には、食塩やオキシドールを使って吐かせる方法が紹介されていることもありますが、自己判断での催吐処置は危険です。
誤嚥性肺炎を起こしたり、食塩中毒を起こしたりする可能性もあるため、自宅での催吐処置はけっしてやらないように。
犬が元気そうにしているのであればしばらく様子を見て、気になる様子があれば動物病院へ行きましょう。

アボカドに対する犬の感受性は研究中で、はっきりした情報はわかっていません。
ただ、鳥やフェレットなど多くの動物には有害性があるとされていることから、犬に与えるのは避けたほうが良いでしょう。
そもそもアボカドは脂肪分が多いため、中毒を起こさなかったとしても、胃腸への負担はそれなりにかかります。
アボカドは犬が届かない場所に保管して、盗み食いや拾い食いをさせないようにしてくださいね。