犬はほうれん草を食べても大丈夫?栄養面のメリットや適量、与える際の注意点
ほうれん草はヒユ科ホウレンソウ属の野菜で、栄養価が高いことで知られています。
お浸しや炒め物にすると美味しいほうれん草ですが、犬に与えても問題はないのでしょうか?
今回は、そんなほうれん草の栄養と効能、愛犬に与える時の注意点について解説します。
目次
犬はほうれん草を食べても大丈夫
まずはじめに、ほうれん草は犬に与えても良い食べ物です。
普通のほうれん草の場合、生のままだとえぐみが強いため、2~3分ほど茹でたものを与えましょう。
なお、生食用(サラダ用)のほうれん草は、下茹でせずに生で食べることができるよう品種改良がされています。
詳しくは後述しますが、犬にほうれん草を与える時は生食用のものを茹でてから与えるのがベストです。
なお、冷凍食品の「茹でほうれん草」は、ナトリウム(塩分)が高い場合があるため要注意。
加工の段階で塩茹でされていることが原因ですが、過剰な塩分は犬の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
愛犬用のほうれん草はできるだけご自宅で茹でるようにし、冷凍のものは少量与えるだけに留めましょう。
【ほうれん草のメリット】ガン予防・貧血予防・免疫力アップ・皮膚や粘膜の健康維持・視力回復・便秘解消など
ほうれん草には葉酸や鉄分が豊富に含まれており、貧血の予防や改善に効果が期待できます。
葉酸は、ストレスによって傷ついた細胞を修復する作用も持っているため、ガン予防や免疫力アップにも効果的。
犬の血や細胞、遺伝子を作るために必要な栄養素であり、母犬や子犬は意識して摂取すると良いでしょう。
また、ほうれん草にはβカロテンをはじめ、ビタミンB・Cや各種ミネラル類も豊富です。
ビタミンCに関してはレモンの2倍以上含まれているため、疲労回復や皮膚・粘膜の健康維持にも役立つでしょう。
なお、ヨーロッパでは「胃腸のほうき」と呼ばれているほど、便秘解消にも効果があるといわれています。
更に、カルテノイドの一種であるルテインやゼアキサンチンを豊富に含むことから、視力の回復にもぴったり。
紫外線などのダメージから目を守ってくれる作用があるため、長時間外で過ごした後はほうれん草を与えてあげると良いでしょう。
なお、ほうれん草の赤い根の部分には骨の形成を助けるマンガンが多量に含まれているなど、まさに栄養の宝庫といえます。
※「βカロテンの過剰摂取はビタミンA中毒を起こす」というのは、誤った情報です。
βカロテンは必要な量だけがビタミンAとして変換されるため、たくさん摂取しても心配ありません。
水溶性ビタミンの一種なので体内に蓄積することもなく、安心して摂取できる成分です。
ほうれん草は「1日の総カロリーの20%以内」を目安に与えよう
愛犬にほうれん草を与える時は、1日に必要な総カロリーの20%以内にしましょう。
ほうれん草は毎日のおやつやトッピング程度に利用し、与えすぎには注意してください。
ちなみに、ほうれん草のカロリーは、100gあたり約20kcalです。
カロリーは低いですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながるので、要注意。
消化不良などの健康トラブルを避けるためにも、愛犬にほうれん草を与える時は適量を意識しましょう。
【注意点①】長く茹でるとビタミンがお湯に溶けだしてしまう
ほうれん草には、水に溶けだす作用を持つ水溶性ビタミンが多く含まれています。
そのため、あまり長く茹でてしまうと、せっかくの栄養素がお湯に溶けだしてしまいます。
犬にほうれん草を与える時は、ビタミンが溶け出さないよう2~3分程度サッとゆでたり、電子レンジで加熱したりしましょう。
あまり神経質になる必要はありませんが、できるだけ栄養素の無駄が出ないように調理できるといいですね。
【注意点②】シュウ酸カルシウム結石ができやすい犬には与えない
ほうれん草にはシュウ酸が多く含まれており、大量に摂取するとシュウ酸カルシウム結石症の原因になります。
シュウ酸の量は茹でることで減らすことができますが、一度結石ができてしまうと、自然に小さくなることはありません。
そのため、シュウ酸カルシウム結石症になったことがある犬・なりやすい犬種には、与えないほうが無難です。
なお、普通のほうれん草に比べると、生食用のほうれん草はシュウ酸の含有量が少なく、結石症のリスクも低いといえます。
愛犬用のほうれん草を購入する時は、できれば生食用のものを選ぶようにし、沸騰したお湯で1分ほど茹でてから与えるのがおすすめです。
茹でるのが難しければ、一口サイズに切ってから流水に20分さらすだけでも構いませんので、ぜひ実践してみてくださいね。。
シュウ酸カルシウム結石症になりやすい犬種
- ミニチュア・シュナウザー
- ヨークシャー・テリア
- シーズー
- マルチーズ
- ポメラニアン
- ビション・フリーゼ など
【注意点③】ワルファリン(ワーファリン)を服用している犬には与えない
獣医師からワルファリンを処方されている場合、ほうれん草を与えてはいけません。
ワルファリンは、血栓塞栓症の治療・予防として処方される内服薬で、血管内で血液が固まるのを防ぐ作用があります。
対してほうれん草には、肝臓で血液を凝固させる物質の働きをサポートするビタミンKが含まれており、薬の作用を阻害します。
薬の効果を弱めないためにも、ワルファリンを服用している犬には、ほうれん草を与えないようにしましょう。
ほうれん草は犬に与えてもOK!生食用以外は下茹でしてから与えよう
ほうれん草は緑黄色野菜の中でも栄養価が高く、手作りご飯のレシピにも使いやすい食材です。
生食用(サラダ用)のほうれん草を除き、普通のほうれん草はアクが強いため、必ず下茹でしてから与えてください。
ただし、シュウ酸カルシウム結石症になったことがある犬や、ワルファリンを服用している犬には与えないようにしましょう。