老犬が死ぬ前に見せる6つの前兆や行動。後悔のない最期にするために

老犬が死ぬ前に見せる6つの前兆や行動。後悔のない最期にするために

公開日:/最終更新日:

老犬と暮らしている人の多くはやはり「愛犬が死んでしまう」ということに不安を覚えると思います。
そして、老犬が死ぬ前にはどのようなサインが現れるのかを知っておきたいと考えている人もまた多いかもしれません。
今回は、そんな老犬が死ぬ間際に見せる前兆や行動について詳しくお話します。

犬の寿命について

犬の寿命について

犬は7〜8歳頃から「シニア」と呼ばれ、老犬の仲間入りとなります。
では、老犬となった犬の寿命は一体何歳くらいなのでしょうか。

犬種や生活環境によっても変わってきますが、犬の平均寿命は「10〜14歳」と言われています。
小型犬よりも大型犬の方が短命という傾向があるので、平均寿命にも大きく差が出てくるのですね。

近年では獣医療も発達して、犬をはじめとした動物たちの寿命も段々と長くなってきました。
しかし、そうは言っても自然の摂理から考えて私たち人間よりも犬のほうが先に死んでしまうことがほとんどでしょう。

悲しいことではありますが、それを踏まえて老犬が死ぬ間際に見せる前兆や行動について予習しておきましょう。

老犬の死ぬ間際に現れる症状

老犬の死ぬ間際に現れる症状

まずは、老犬が死ぬ間際に現れる「症状」についてお話しています。
個体差もありますし、犬によって症状もさまざまではありますが、ここでは代表的な4つの症状をご紹介します。

食欲の低下

老犬の死の前兆として特に多いのが「食欲の低下」です。
大好きなご飯でもまったく食べなくなったり、水すらも飲まなくなったりという状態に陥ります。

ご飯を食べないと、飼い主としてはとても心配ですよね。
しかし、弱っている老犬に無理にご飯を食べさせようとすると、喉に詰まってしまうこともあり、かえって危険なこともあるので注意が必要です。
強制給餌が必要な場合にも、まずはかかりつけの獣医師に相談してみましょう。

嘔吐や下痢

老犬に死が近づくとお尻付近の筋肉にも力が入らなくなるため、下痢を引き起こしてしまうことがあります。
場合によっては嘔吐をすることもあるでしょう。

老犬の下にペットシーツやタオルを敷いて、汚れたら体を優しく拭いてあげるようにしましょう。

呼吸の乱れ

老犬の死ぬ間際の症状として、「ハッハッ」という浅い呼吸から段々と「ハーア」という深い呼吸に、そしてその後に無呼吸状態となり、再び浅い呼吸に戻る・・・というような呼吸の乱れが見られることがあります。

このような呼吸のことを「チェーンストークス呼吸」と呼ぶのですが、老犬がこの呼吸法に入ってしまうと「あと数分の命」とも言われています。

痙攣や体の震え

先ほどの呼吸状態と併せて、痙攣や体の震えが現れる場合もあります。
これは体温が下がることによって起こるのですが、愛犬の痙攣した姿を見ていると「苦しいのではないか」と飼い主も心配でつらくなってしまいます。

しかし、この時は愛犬が頑張って生き切ろうとしている大切な瞬間でもあります。
できる限り、愛犬のそばを離れずに見守っていてあげてくださいね。

老犬が死ぬ間際に取る行動

老犬が死ぬ間際に取る行動

先ほどの症状に加えて、老犬が死ぬ間際に見せる「行動」についてもお話します。

動きや反応がゆっくりになる

いつもは名前を呼ぶとすぐに反応する犬でも、死ぬ間際になってくると反応が遅くなり動きもゆっくりになります。

中にはふらつきながらも自分で立ちあがろうとする老犬もいるようですが、こうした時には無理に寝かせようとするのではなく優しく見守り、できるだけ犬のしたいようにさせてあげてくださいね。
最期まで愛犬が愛犬らしく生きること“が大切です。

甘えてくる

これは医学的根拠などがある行動ではありません。
しかし、老犬を看取った多くの飼い主が「最期に犬が甘えてきた」という話をしているのです。
不思議なことに、元々甘えたがりの犬だけではなく普段はあまり甘えてくることのない子でも、死ぬ間際には珍しく甘えてきたと言います。

もしかしたら、これは犬からの「ありがとう」と「またね」という挨拶なのかもしれませんね。

後悔のない最期にするには

後悔のない最期にするには

老犬の死ぬ間際の症状や行動が見えてくると、飼い主は悲しみや不安などでいっぱいになります。
しかし、どんなに弱っていても愛犬はまだ頑張って生きているのです。
後悔のない最期にするために、飼い主は次のことを心がけましょう。

愛犬の看取り方を決める

老犬の死ぬ間際の前兆や行動が見えてきた時に、ご家族にまず考えてほしいのが「どのように愛犬を看取るか」ということです。
不安になって動物病院に連れて行く飼い主さんも多いと思いますが、「入院させて結局ひとりで旅立たせてしまった」と後悔してしまうケースも珍しくはないのです。

動物病院に連れて行くことも大切ではありますが、その後のことは獣医師やご家族ともよく話し合って、悔いのない看取り方を決めるようにしましょう。

たくさん声をかけてあげる

人間の場合でも「聴覚は死の直前まで残る」という話があるように、犬もどんなに意識が遠退いていっても聴覚は最後まで残ります。
これまでの愛犬への感謝の想いと愛情たっぷりの言葉をたくさんかけてあげてくださいね。

死ぬ間際の老犬のためにできること

死ぬ間際の老犬のためにできること

いかがでしたでしょうか。
今回は、老犬の死ぬ間際に見せる前兆や行動についてお話しました。

ご紹介したものは特に代表的なものであって、当然全ての犬に当てはまるものではありません。
しかし、こうした前兆や行動が見えてきた時には「お別れが近いのかもしれない」ということを心に留めておきましょう。

悲しいことではありますが、命あるもの「死」は必ずやってきます
しかし、愛犬の最期をどのように過ごして、どのように看取るのかは私たち飼い主次第なのです。

少しでも後悔のないように、愛犬を見送ってあげられるといいですね。

著者・専門家プロフィール

この記事を読んだ人におすすめ