ミニチュアピンシャーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ミニチュアピンシャー

お散歩目安 1日30分以上
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Miniature Pinscher

ミニチュアピンシャーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

ミニチュアピンシャーの基本情報

英名 Miniature Pinscher
愛称・別名 ミニピン、レーピンシャー
原産国 ドイツ
寿命 12歳〜16歳
サイズ 小型犬
体重 4kg〜6kg
体高 25cm〜30cm
分類 2G:使役犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

ミニチュアピンシャーの歴史

ミニチュアピンシャーの歴史

その外見の相似から、一見ドーベルマンを小型化した犬種と思われがちなミニチュアピンシャーですが、実際にはドーベルマンとミニチュアピンシャーの間には直接的な血縁関係がなく、むしろミニチュアピンシャーの方がドーベルマンよりも長い歴史を持つ犬種です。

ミニチュアピンシャーのルーツには諸説あり、正確なことは分かっていませんが、祖先犬は約200~300年前にドイツでネズミ捕りや小害獣駆除で活躍していた中型の「ヘル・ピンシェル」という犬種であるという説が有力とされています。
このヘル・ピンシェルに、ジャーマンピンシャーやダックスフンド、イタリアングレーハウンド、ミニチュアシュナウザーなどの様々な犬種の交配が繰り返され、現在のような外見を持つミニチュアピンシャーが誕生しました。

小さいながらもその攻撃的な気質は、ネズミなどの害虫駆除に大きく貢献し、原産国ドイツやフランスでは多大な人気を誇っていましたが、第一次世界大戦後には一転、そのブームが終息を迎えます。
一方で、戦前にアメリカへと渡っていたミニチュアピンシャーたちは知名度を上げていき、1900年代のドッグショーに登場したことをきっかけに、さらに高い評価を得るようになっていきました。

1929年には、アメリカAKCにて正式に固定犬種として認められ、ミニチュアピンシャーの人気はその後も着々と高まっていきます。
日本では2000年代の小型犬ブームの際に注目を浴び、飼育頭数が急増しました。
しかし、その細身で繊細な外見の印象と気質の間には大きなギャップがあり、しつけが難しいことから現在での人気は一部の愛好家たちに愛されるにとどまっています。

ミニチュアピンシャーが持つ短い尾は実は生まれつきのものではありません
原産国ドイツでは断尾の習慣があり、ミニチュアピンシャーは断尾されたものが正統とされてきました。
しかし20世紀に入り、動物愛護の機運が高まると、必要のない断尾や断耳は禁止されるようになったことで、現在ではほとんど行われていません。
その歴史から多くの個体が尾の短い状態で生まれますが、中には中程度の長さの尾を持つ個体も存在します。

ミニチュアピンシャーの特徴や性格

ミニチュアピンシャーの特徴や性格

JKCなどの分類で、ミニチュアピンシャーは「2G使役犬」のグループに属していますが、実はその冠ともなっている「ピンシャー(Pinscher)」は、ドイツでテリアを意味する言葉です。
そのためJKC分類のテリア種には属さないものの、その特有の独特な気質は持ち合わせており、しつけにはかなりの根気が必要となります。

ペットとして一緒に暮らす上で、ミニチュアピンシャーの勝気な性格は魅力と感じる一方、このしつけの難しさや、気性の荒さが怖いと感じる飼い主さんも多いです。
また、ミニチュアピンシャーは頑固な性格に合わせ、縄張り意識が強く、自身の優位性にも敏感な犬種です。
そのため、安易に多頭飼いをしてしまうと、犬同士の序列争いが常態化してしまうケースがあるでしょう。

一方で、ミニチュアピンシャーの知能の高さは非常に高く評価されています。
しつけを十分に行い、主従関係の構築さえしっかりと出来れば、その賢さと従順さから非常に良いパートナーとなってくれるでしょう。

ミニチュアピンシャーの飼い方

ミニチュアピンシャーの飼い方

ミニチュアピンシャーは、その被毛の短さから寒さや気温差に大変敏感な犬種です。
肌寒さを感じる季節が訪れたら、服を着せたりペットヒーターなどを活用し、適度な温度管理に努めましょう。
中にはストーブやこたつなどを使用してしまい、低温やけどを負ってしまう場合がありますので、必ずペット専用のものを用意するようにしてください。

また、この被毛の短さは、皮膚への刺激も受けやすくなっています。
乾燥肌やフケなども多く見られますので、食生活やお手入れ方法を工夫し、皮膚のケアを継続することが大切です。

また、前述もしましたが、ミニチュアピンシャーは強い縄張り意識を持っている犬種です。
そのため、来客時のインターホンや、屋外からの騒音、通行人に激しく吠えてしまうことが多々あります。
そのような場合は、サークルやクレートなどの専用スペースを設け、落ち着かせてあげることが効果的です。

一度、噛み付き癖や威嚇癖がついてしまうと、家族だけで改善するのはかなり困難です。
この場合は、必ずプロのドッグトレーナーに協力してもらい、改善に努めましょう。
このような状態になってしまうと、トリミングショップや動物病院などでも大変危険を伴いますので、連れて行く際には事前に申告する必要があります。

また、子犬時の社会化トレーニングがしっかり出来ていないと、他の犬に接触した場合、喧嘩に発展することがありますので要注意。
勝気な性格が強く現れるオス犬の場合には、生後半年くらいの時点で去勢手術を済ませておくことで、若干の抑止効果が期待できます。

ミニチュアピンシャーの毛色

ミニチュアピンシャーの毛色

ミニチュアピンシャーの毛色はディアレッド、レディッシュブラウン、ダークレッドブラウン、フォーン、スタッグレッド(赤地に黒い被毛が散在)、ブラックアンドブルーにタンマーキングなどが認定されています。
日本ではレッドやブラックタンなどがよく見られますが、中でもブラックタンは「小さなドーベルマン」に見えることから、高い人気を集めています。

ミニチュアピンシャーの気をつけたい病気や怪我は?

ミニチュアピンシャーの気をつけたい病気や怪我は?

ミニチュアピンシャーは、寒さや加齢など原因は様々ですが、耳のフチ部分の血行が悪くなり、一部が壊死し、脱落してしまう「耳介辺縁皮膚症」をよく発症します。
この疾患は壊死範囲に個体差があるものの、自然治癒で解決できるものではありません。
症状の対策には、小まめなマッサージやスヌードの着用などが効果的です。

また、大変華奢な骨格から日常生活の些細なことでも骨折・脱臼をしてしまうことが多々あります。
特に階段の昇降や、ソファからの飛び降りには注意をしておきましょう。
大変活発な犬種のため躊躇なくこのような行動をとってしまうため、日頃からの環境づくりには工夫が必要です。

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