セントバーナード
お散歩目安 | 1日60分以上 |
ブラッシング頻度 | 2〜3日に1回 |
トリミング | 不要 |
セントバーナードってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
セントバーナードの基本情報
英名 | St. Bernard |
原産国 | スイス |
寿命 | 8歳〜10歳 |
サイズ | 大型犬 |
体重 | 50kg〜91kg |
体高 | オス:70cm〜90cm メス:65cm〜80cm |
分類 | 2G:使役犬 |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
セントバーナードの歴史
セント・バーナードは、スイスの「国犬」にも指定されており、スイスを代表とする大型犬です。
あらゆる犬種の中でもかなり大柄になる部類の犬種で、過去最大とされるサイズを記録したのは1970年、アメリカのミシガン州で誕生した「ベネディクティン・シュヴァルツヴァルト」号です。
その圧倒的な体格は体高が99cm、体重は実に138kgというまさに規格外のサイズで、未だその記録は破られていません。
セント・バーナードの歴史は長く、2世紀頃にローマ帝国軍の軍用犬としてアルプスに持ち込まれたモロシア犬が祖先とされています。
モロシア犬は現在のマスティフやグレート・デーンなどの大型犬の祖先としても知られ、セント・バーナードはこれら大型犬の親戚となります。
セント・バーナードは当初その大きな体を生かした軍役を期待されていましたが、寒さに強い事、忍耐力があり飼い主に従順なことから、のちに寒冷地での山岳救助を担うようになります。
17世紀中頃からは、その名称の由来ともなったスイス・アルプスにある「聖ベルナール修道院」にて雪中遭難救助犬として活躍をし始め、この役目は20世紀初頭に至るまでに2,500名もの遭難者を救助したことで世界中で高く評価されています。
この時に首にラム酒の小樽をぶら下げていたことが世界中に広まり、セント・バーナードの定番スタイルとして印象付けられました。
この小樽は雪山で遭難した人の気付けの意味があり、決して単なるファッションではありません。
日本では「アルプスの少女ハイジ」に登場した犬がセント・バーナードであることから一躍有名になりました。
小さな子供と仲良く過ごす姿が印象的で当時はペットとして家族に迎え入れる家庭が多くみられました。
また東京消防庁の特別救助隊や消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)では、生涯に40名を救助した「バリー」号の活躍ぶりにちなみ、セント・バーナードが描かれたワッペンを車両と隊員の肩に付けています。
日本での人気は一時絶大でしたが、想像以上に大柄で食費もかさむことからペットとしての人気は徐々に低迷し、現在ではごく一部の愛好家の飼育にとどまっています。
セントバーナードの特徴や性格
セント・バーナードは大型犬らしい落ちつきと貫禄のある犬種です。
成長すると些細なことでは微動だにせず、穏やかな生活を送りますが、成長は比較的ゆっくりとしたスピードで、子犬と呼ばれるやんちゃな時期は生後2年ほど続き、この間に見せるイタズラは想像以上です。
しつけには従順ですが、気の向かないことには力づくでも対抗しようとすることもあり、安全対策のためにもドッグトレーナーの指導を仰ぐことが必要です。
忍耐強く、おおらかな性格から子供ともある程度友好的に過ごすことが出来ますが、必ずしも全てを許容するという意味ではありません。
やや攻撃的な態度や人見知り、不快感を見せる場合もあるので、周囲との接触には十分な注意も必要です。
セントバーナードの飼い方
セント・バーナードとの生活では十分な敷地と飼い主の時間的余裕が必要不可欠です。
日々の散歩は十分な時間を割き、お手入れや室内の清掃にも手間がかかります。
ただし、過度に激しい運動や長時間の連続した運動は、大きな体を支える足腰や関節に負担がかかることがあります。
運動内容は十分に検討し、専門家の意見も取り入れつつ調整してお世話をしましょう。
食事は肥満予防のためにも適量を管理し与えます。
食事の消費量が多いものの、安易に安価な製品を活用すると皮膚疾患やアレルギーを発症し治療に高額な費用が必要になりますので、良質で安全な食生活を心がけてあげましょう。
お手入れは、被毛のカットは必要ありませんがブラッシングやシャンプー、耳掃除は定期的に行います。
特に耳掃除は垂れた耳内部に汚れや雑菌が繁殖し、外耳炎が慢性化しやすい犬種のため重要事項です。
セント・バーナードは元々、北欧の寒冷な地域で生活をする犬種のため、被毛は保温性が高く、毛量が多い構造になっています。
日本のような高温多湿な環境での生活には本来不向きで、皮膚疾患を患う事も多いので日ごろからこまめにブラッシングをしてあげましょう。
またその堂々たる体躯は、オスの場合体高70~90cm、メスの場合でも体高65~80cm程となり、体重は50~91kgと大柄な成人男性並みに成長します。
そのため、一部のトリミングショップやペットホテルでは設備の都合上受け入れが困難なケースも多々あり、動物病院でも待合室の都合や設備の都合で十分な環境を整えることが出来ないことがあります。
若く健康なうちにかかりつけ医を見つけておくこと、高齢期のために往診対応が可能な主治医を探しておくことも大切な備えです。
セントバーナードの毛色
セント・バーナードの毛色は、ホワイトの地色にレッドブラウンの斑またはブランケット(胴体を覆うような大きな色)があるものが代表的です。
その他にも、レッドブラウンに少しのブリンドルが入ったものや、イエロー寄りのブラウンなども正式に認定されています。
いずれも似通った毛色で、印象にはそこまで大差はありません。
セントバーナードの気をつけたい病気や怪我は?
セント・バーナードは他の大型犬同様、先天性の股関節形成不全を患っていることが多い傾向にあります。
成長期には急激な発育を遂げるので、十分な栄養と運動を心がけ頑丈な体つくりを心がけることが必要です。
本来寒冷地での生活に適した犬種ゆえに日本の夏の暑さ、冬の暖房には体が適応できないことも多々あります。
息遣いや食欲の状態から健康管理、室温管理には常に目を配っておきましょう。