スコティッシュテリア
お散歩目安 | 1日60分以上 |
ブラッシング頻度 | 毎日 |
トリミング | 必要 |
スコティッシュテリアってどんな犬?歴史・性格・飼い方について
スコティッシュテリアの基本情報
英名 | Scottish Terrier |
愛称・別名 | スコッティ |
原産国 | イギリス(スコットランド) |
寿命 | 12歳〜15歳 |
サイズ | 小型犬 |
体重 | 8.6kg〜10.4kg |
体高 | 25.4cm〜28cm |
分類 | 3G:テリア |
※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。
目次
スコティッシュテリアの歴史
真っ黒な被毛が特徴的なスコティッシュ・テリアは、その名の通りスコットランドを原産とするテリア犬種の一種です。
元々、原産国であるスコットランドには数多くのテリア種が土着しており、現在ではこの「スコティッシュ・テリア」をはじめ、「スカイ・テリア」、「ケアーン・テリア」、「ダンディ・ディンモント・テリア」、「ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア」など似通った特徴や性質、体型を持つ犬種が5種類存在しています。
中でもこのスコティッシュ・テリアは最も歴史が古い犬種とされ、よく似た特徴を持つ犬種の記述は15世紀の「スコットランドの歴史」にも記されています。
かつて「スコティッシュ・テリア」の名称は、前述のテリア種たちの総称として用いられていましたが、1870年代に入ると「スコティッシュ・テリア」の定義が議論され、現在のスコティッシュ・テリアの祖先犬にその名が与えられるようになります。
その後1880年には最初の犬種標準(スタンダード)が発表され、さらに改良が進められた1934年、ようやくイギリスのケンネルクラブに犬種登録が行われました。
スコティッシュ・テリアは、元々アナグマの狩猟や害獣、ネズミ駆除などの役割を担ってきた犬種です。
穴を掘り、地中にまで獲物を追いかける習性はこの犬種特有の本能で、犬種確立までの過程でこの習性は注目を浴び、穴に潜ったスコティッシュ・テリアの尾を掴み獲物ごと引き上げるといった手法も行われてきました。
そのため、スコティッシュ・テリアの尾は他犬種に比べ太く、丈夫なつくりになっているのが特徴的です。
スコティッシュ・テリアはしばしば同じ原産国のウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア(通称ウエスティー)とのペアでブランドのイメージキャラクターや、テレビCMなどに起用されています。
この犬種の真っ黒な被毛と、ウエスティーが持つ真っ白な被毛の組み合わせはインパクトがあり、世界中で愛されるシンボルマークとなっています。
アメリカではルーズベルト元大統領や、ブッシュ元大統領の愛犬として一定の地位を築き、愛好家たちからは「スコッティ」の愛称で広く親しまれています。
スコティッシュテリアの特徴や性格
スコティッシュ・テリアも他のテリア種同様、「テリアキャラクター」と呼ばれる独特の気質を持っています。
知能は大変高く、判断能力に長けている一方、勝気、頑固、過度な忍耐強さが特徴的です。
そのためプロのドッグトレーナーでもしつけが困難だと敬遠されることもしばしばあります。
この性格は狩猟の場においては、粘り強く獲物を追いかける執念深さ、獲物から反撃をされても屈しない忍耐強さとして大きく評価され、重宝されてきましたが、現代日本の家庭でペットとして生活をするにはやや手を焼くことも多いでしょう。
また、スコティッシュ・テリアは「プラッキング」と呼ばれる特殊な技法でトリミングを行います。
この技法は被毛をつまみ、引き抜くことで抜け毛処理や被毛の長さの調整を行うものですが、他犬種であればあまりの痛みに絶叫してしまうほどのことです。
しかし、テリア種であれば意にも留めないことも「テリアキャラクター」の特性といえます。
スコティッシュテリアの飼い方
スコティッシュ・テリアは小型犬でありながらも、大変運動量が多く、活発な犬種です。
室内飼育の場合でも長時間のサークル生活は不向きで、運動量が不足してしまうとストレスから反抗、威嚇、無駄吠えなどの問題行動が多くみられるようになります。
抜け毛はほとんど無く、掃除の手間はかからないものの、硬く豊富な被毛は絡まりやすく、毛玉予防のためのブラッシングは定期的に必要となります。
一旦主従関係を認めた相手には大変従順で、生活のルールを守ることができますが、そうでない場合は強く反抗心を見せる傾向があります。
特に小さな子供など執拗な行動をする相手にはかなり強い姿勢を見せる場合がありますので注意が必要です。
テリア種特有の警戒心、攻撃姿勢を明確に見せることも多く、他犬との触れ合いや他人との触れ合いには十分な注意をしましょう。
ただし、子犬の時期に徹底した主従関係の構築、社会化トレーニングを行うことで、このような傾向を解消することも可能です。
スコティッシュテリアの毛色
スコティッシュ・テリアの毛色といえば、真っ黒一色が印象的ですが、血統証発行団体ではブラック以外にもウィートン(淡い小麦色)やブリンドルも認定されています。
いずれも黒に似た毛色をしています。
スコティッシュテリアの気をつけたい病気や怪我は?
スコティッシュ・テリアは犬種が固定化してからの歴史が大変古いこともあり、目立った先天性疾患の傾向はみられません。
しかし尿道、膀胱周辺での持病を持つケースは多々あり、尿石症には注意が必要です。
排尿時に痛みを訴える、排尿をためらう様子がみられる場合は、すぐに動物病院で受診をするようにしましょう。
また、非常にごく稀なケースですが「フォン・ビルブランド病(偽血友病)」と呼ばれる血液の病気を先天的に患うことがあります。
この症状を発症してしまうと、些細な怪我や乳歯の生え変わりでも出血が止まらなくなることがあります。
この病気は日常生活では目立つ支障はありませんが、避妊去勢といった簡易的な手術でも出血量が多くなってしまい危険が伴います。
あらかじめ検査で遺伝的要因の有無を確認することが出来るので、健康管理のためにも把握しておくと安心です。