チベタンマスティフってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チベタンマスティフ

お散歩目安 1日60分×2回
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Tibetan Mastiff

チベタンマスティフってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チベタンマスティフの基本情報

英名 Tibetan Mastiff
原産国 中国(チベット地方)
寿命 10歳〜12歳
サイズ 大型犬
体重 64kg〜82kg
体高 オス:66cm〜
メス:61cm〜
分類 2G:使役犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

チベタンマスティフの歴史

チベタンマスティフの歴史

チベタン・マスティフは中国・チベット高原を原産とする「超大型犬」に分類される犬種です。
モロシア犬の原種の一つとされ、古くからチベット高原で生活していた牧畜民とともに暮らし、牧羊犬や番犬としての役割を担ってきました。

中国では紀元前1100年頃のものと推定されるチベタン・マスティフの原種(古代チベタン・マスティフ)と見られる頭蓋骨が発見されており、太古の昔から存在していたと思われますが、その起源ははっきりと分かってはいません。
ただ、現存するすべてのマスティフ犬種の祖先であると考えられており、昨今の犬の系統図ではほとんどのもので最上段にその姿が描かれています。

チベタン・マスティフはその体の大きさから軍用犬としても活用された歴史を持ち、モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハーンは、3万頭ものチベタン・マスティフを集めた軍勢を引き連れ西征したとされています。
また旅行記「東方見聞録」で知られるマルコ・ポーロは旅路で遭遇したチベタン・マスティフを「ロバのように背が高く、ライオンのように力強い咆哮を兼ね備えた野獣」と記しました。
チベタン・マスティフは19世紀初頭、チベットではほとんど絶滅してしまいましたが、イギリスでは当時の国王ジョージ4世が2頭所有し、その後ヴィクトリア女王にも献上され寵愛を受けています。

2010年頃、中国でペットブームが起きると、その一環で中国ではチベタン・マスティフが大きな注目を集めていました。
チベタン・マスティフの被毛には首周りの毛の特徴から「獅子型」「虎型」といった二つのタイプがあり、獅子型はさらにそこから毛が長いものを「大獅子頭型」短いものを「小獅子頭型」と分けて呼ばれ、まるでライオンの様に見えるものほど人気が高くなります
当時の中国ではグレードの高いチベタン・マスティフを神とまで讃えるほど人気が白熱し、富裕層の経済力の象徴ともされていました。
その結果、一時は一億円を超えるほどの高額な売買が行われ、2014年には二億円で取引が成立したケースもあり、世界中で話題となりました。

一方、日本国内ではその規格外のあまりに大きなサイズ感と希少な存在であることから、飼育している世帯はほぼ見られません。
日本では育成しているブリーダーも皆無に等しく、稀に子犬を国内で入手出来たとしても、そのほとんどのチベタン・マスティフは毛並みが悪く、純血ではない場合が多くなっています。

チベタンマスティフの特徴や性格

チベタンマスティフの特徴や性格

チベタン・マスティフは体高66cm以上、体重64~82kgと世界各国の犬種の中でも特段に大きな体格をしています。
身体的な成長はオスの場合生後4年ほどかかり、メスでも2年ほどが目安となります。生後半年ほどで成長が終わる小型犬に比べ驚くほどの長い期間です。

成長後は首の周りにはまるでライオンのたてがみのような豊富な飾り毛が生え揃いますが、中にはこのたてがみ状の飾り毛が生え揃わない場合があります。
この場合、劣悪な環境での繁殖や別犬種の血統を受け継いでしまっている「純血種ではない個体」であることが考えられます。

性格は意外にも温厚で、飼い主には大変忠実です。
元は番犬、護衛犬、猟犬として活躍していた歴史もあり、様々なしつけを習得することが出来ます。
しかし大柄な体ゆえに、意に介さないことには実力行使に出る場合もあるため、ペットとして生活をするうえでは子犬の頃から十分なしつけが必要です。

大型犬らしいおおらかさはあるものの、元来の番犬としての性質も強く残り、番犬として家族を守ろうという意識もみられます。
そのため時には無駄吠えや他人、他犬への警戒心を剥き出しにすることがあるので、外出の際は不用意に近づき、触れようとする他人には一定の距離を置き、注意を払う事が必要です。
しかし前述の通り飼い主には大変忠実で、時には甘えることもあり、愛情深い面を見せるでしょう。

チベタンマスティフの飼い方

チベタンマスティフの飼い方

チベタン・マスティフをペットとして家族に迎えるには十分な生活スペースと時間的・金銭的余裕が必要です。
他犬種同様に室内でサークルを設置し生活をさせる、庭で軽い運動をさせる程度で飼うことは不可能です。
本来の原産地での生活を思い浮かべ、出来る限り似通った環境を用意できることが理想的で、そもそもが大変希少種のため、かなりの経済的余裕がない場合、飼育するのは難しいでしょう。

大型犬なので俊敏な運動は必要ありませんが、習慣的に十分な運動をさせ筋力量を維持することが必要です。
日々使用する製品は市販品ではサイズや強度が合わないことが大半で、特別注文が必要になることも想定しておきましょう。
日々のお世話では垂れた耳の定期的な掃除が欠かせず、外耳炎の発症を防ぐために数日ごとに耳掃除を行い、清潔に保つことが必要です。

日本でこのチベタン・マスティフを繁殖するケースはほぼみられず、購入は海外からの輸入が前提となるでしょう。
ただあまりにも大柄なことから日本ではトリミングやペットホテルの利用、動物病院の利用、用品の購入など様々な面で不便を感じることも多くなると予想され、国内での飼育は現実的に見るとかなり厳しいものとなります。

チベタンマスティフの毛色

チベタンマスティフの毛色

チベタン・マスティフの毛色にはブラック、ブラウン、グレー、レッドがあります。

単色で顔にタンが入ることもあり、中には胸元に白い差し毛が入る個体も存在します。
一時はこの差し毛も中国では意味が持たれ、高額な取引の理由とされたことがあります。

チベタンマスティフの病気や怪我は?

チベタンマスティフの病気や怪我は?

チベタン・マスティフは大型犬特有の股関節形成不全を先天的に患っている場合が多々あります。
体が大きいことから、発症すると悪化するケースが多く、中には寝たきり、歩行困難に陥る場合もあります。
誕生時には発症がみられない場合でも成長、肥満、生活環境を理由に症状が現れることもあり定期的な経過観察が必要です。

またチベットの乾燥地域原産の犬であることから、日本の高温多湿な環境には体質的に馴染まず、皮膚トラブルを起こすことも多々あります。

その体の大きさや日本で飼育されるケースが滅多にないことから、動物病院の利用はかなり制限されることが予測されます。
飼育の際は専任の獣医師などを確保し、万全の体制を期す必要性があります。

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