犬にメロンを食べさせても大丈夫?メリットや適量、与える際の注意点

犬にメロンを食べさせても大丈夫?メリットや適量、与える際の注意点

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ウリ科キュウリ属に属するメロンは、果物の王様とも呼ばれています。
高級なフルーツというイメージが強いメロンですが、犬に与えても問題はないのでしょうか?
今回は、そんなメロンの栄養と効能、犬に与える際の注意点について解説します。

犬はメロンを食べても大丈夫

犬はメロンを食べても大丈夫

まずはじめに、メロンは犬に与えても良い食べ物です。
メロンには、果肉がオレンジのものや表面の模様がほとんどないものなど、様々な品種があります。
しかし、どのメロンにも犬にとって害のある成分は含まれていないため、生のまま安心して与えてください。

愛犬にメロンを与える際は、あらかじめ皮を剥き、種を取り除いておきましょう。
メロンの皮や種は消化しにくく、丸呑み癖のある犬ではのどに詰まらせる可能性があります。
皮に近い部分は甘味が薄く、犬の好みが分かれるため、甘味が強い中心部を食べやすいサイズに切って与えると良いでしょう。

【メロンのメリット】むくみ改善・熱中症予防・消化不良を防ぐ・ガン予防・皮膚被毛の健康維持・視力回復 など

【メロンのメリット】むくみ改善・熱中症予防・消化不良を防ぐ・ガン予防・皮膚被毛の健康維持・視力回復 など

メロンには非常に多くのカリウムが含まれており、むくみの改善に高い効果が期待できます。
カリウムは、ナトリウムと同じく細胞内外液の浸透圧をバランスよく保つ働きを持っており、熱中症対策にも役立ちます
メロンの約87%は水分でできていることからも、特に夏場の水分補給として活用しやすい果物といえるでしょう。

また、メロン特有の成分でいえば「ククミシン」というタンパク質の分解酵素が挙げられます。
ククミシンは夕張メロンやマスクメロンなど、皮に網目がある品種に多く含まれており、消化吸収を促進する作用があります。
そのため、胃腸が弱い犬や消化機能の落ちたシニア犬に与えることで、胃腸の負担を減らしてくれる効果が期待できます。

更に、メロンは果糖・ショ糖・ブドウ糖などの糖質を含んでいるため、即効性のエネルギー源となります。
疲労回復に効果があるクエン酸も豊富に含まれており、夏バテ予防や皮膚・被毛の健康維持にも効果が期待できます。
クエン酸には老化の原因となる「活性酸素」を取り除く作用があるといわれているため、エイジングケアにもおすすめですよ。

なお、オレンジ色のメロンにはβカロテンが非常に多く含まれています。
夕張メロンなど、赤肉メロンのβカロテンの含有量が果物の中でもトップクラスで、栄養価はばつぐんです。
βカロテンには、発ガン抑制・皮膚被毛の健康維持・視力回復・免疫力アップなど、様々な健康効果が期待できます。

メロンは「体重1kg当たり一欠片程度」を目安に与えよう

メロンは「体重1kg当たり一欠片程度」を目安に与えよう

愛犬にメロンを与える時は、体重1kg当たり一欠片程度(約10g)を目安にしましょう。
メロンは、あくまで特別な日のご褒美やおやつと考えるようにし、与えすぎには注意してください。

ちなみに、メロンのカロリーは、100gあたり約42kcalです。
果物の中では平均的なカロリーですが、与えすぎは栄養バランスの乱れにつながる可能性があります。
健康トラブルを避けるためにも、愛犬にメロンを与える時は適量を意識しましょう。

【注意点①】苦味成分「ククルビタシン」で口内に刺激を感じることがある

【注意点①】苦味成分「ククルビタシン」で口内に刺激を感じることがある

メロンなど、ウリ科の植物には「ククルビタシン」という苦味成分が含まれています。
ククルビタシンは未熟な植物や収穫直後の植物にヘタに多く含まれており、摂取すると口内がピリピリすることがあります。
愛犬にメロンを与える際は、飼い主さん自身で味見をし、強い苦味がないかチェックしてあげると良いでしょう。

【注意点②】腎臓病・心臓病の犬には与えない

【注意点②】腎臓病・心臓病の犬には与えない

フルーツの中でも、メロンにはカリウムが多く含まれているため、腎臓・心臓病の犬には良くありません。(※)
カリウムは犬の健康に欠かせない栄養素ですが、腎臓の機能が低下している犬の場合には、摂取量の制限が必要です。
腎不全の犬をはじめ、心臓病の犬には、念のためメロンを与えるのは避けたほうが良いでしょう。

※通常、あまったカリウムは尿とともに体外へ排出されますが、腎臓の働きが悪くなると体内へ蓄積します。
体内にカリウムが蓄積すると、高カリウム血症を引き起こす可能性があるため、注意してください。

【注意点②】ウリ科の食物アレルギーや交差反応に注意

【注意点②】ウリ科の食物アレルギーや交差反応に注意

メロンは、スイカやきゅうり、かぼちゃなどと同じ、ウリ科の食材です。
そのため、ウリ科の食べ物に食物アレルギーを持っている犬には与えないほうが良いでしょう。

また、ブタクサやニンジンにアレルギーを持っている犬は、メロンを食べた際に交差反応が起こる可能性があります。
アレルギーは、アレルゲンへの過剰な免疫反応によって引き起こされるものですが、時にアレルゲンに似た物質でも反応します。
メロンはブタクサやニンジンに分子構造がよく似ているため、交差反応によるアレルギー症状が出やすいといわれています。

愛犬に初めてメロンを与える場合は、食物アレルギーや交差反応を考慮し、少量からスタートしましょう。
もし、少量でも下痢や嘔吐、皮膚の痒みなどがみられた場合にはアレルギーの可能性があるため、注意が必要です。
少しでも愛犬に気になる症状がみられたら、早めに動物病院を受診するようにしてくださいね。

メロンは犬に与えてもOK!ただし腎臓病・心臓病の犬には与えないこと

メロンは犬に与えてもOK!ただし腎臓病・心臓病の犬には与えないこと

果物の王様とも呼ばれるメロンは、犬にとって健康効果の高い成分を多く含んでいます。
カリウムの含有量が多いため、腎臓病や心臓病の犬に与えるのは避けたほうが良いですが、健康であれば問題はありません。
ぜひ、特別な日のおやつとしてメロンを取り入れ、愛犬の元気をサポートしてあげてくださいね。

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