愛犬が体を痒がっている時の考えられる原因は?理由と対処法について
犬が痒がる原因は色々ありますが、なかには病気のサインであることもあります。
たかが痒みと放置していると、皮膚の状態が悪くなってしまう可能性があるため、要注意。
この記事では、犬が痒がる原因と考えられる病気、痒みへの対処法について解説します。
目次
犬が体を痒がる原因~アレルギー・心因性など
愛犬が頻繁に体を掻いていると、何かの病気かと心配になりますよね。
犬が体を痒がる原因としては、大きく2つに分けられます。
病気・怪我など
- 外耳炎
- 皮膚病
- 虫刺され
- 外部寄生虫
- アレルギー
- その他の病気
病気以外
- 乾燥
- 換毛期
- ストレス
- 毛玉ができた
病気以外の原因は「ストレス・乾燥・毛玉」など
エアコンのかけすぎ、外気の乾燥などで皮膚が乾燥すると、痒みを伴います。
シャンプーの洗い流しが不十分だったり、回数が多すぎたりしても、痒みがでるでしょう。
また、毛がもつれて毛玉になると、毛が引き攣れて違和感を感じます。
抜け毛が大量に出る換毛期では特に毛玉ができやすいため、注意が必要といえますね。
なお、犬がストレスを感じた場合も、皮膚をよく掻くようになります。
その他、しっぽをかむ、手足をなめる、かじるなどの行動もみられることが多いでしょう。
ストレスから直接痒みが出るというよりも、ストレスが痒みを増幅させます。
かゆみを引き起こす主な病気・怪我6つ
外耳炎
細菌やマラセチアが原因で発症します。
耳垢の蓄積や外部刺激によって外耳炎を発症すると、耳の中に痒みが出ます。
痒みは非常に強く、掻きむしって耳が真っ赤になったり、腫れあがって耳の穴が塞がることもあります。
皮膚病
犬の痒みを引き起こす皮膚病はたくさんあります。
皮膚病は一旦治っても繰り返し起こることが多く、治療が長引くケースも珍しくありません。
例:マラセチア皮膚炎・膿皮症・皮膚糸状菌症・疥癬・急性湿性皮膚炎など
虫刺され
蚊やアブなどの虫に刺されたことで痒みが出ます。
犬の場合、刺された場所がかゆくなるのではなく、全身にかゆみをもたらす事も多いでしょう。
多くは、腰やお尻、首周りなどの部位に現れ、激しいかゆみを伴います。
外部寄生虫
ダニやノミなどの外部寄生虫が付着すると、犬は皮膚に痒みを覚えます。
これら寄生虫は犬の血を吸う際に唾液を注入するのですが、これが刺激となって痒みになります。
ヒゼンダニの寄生によって起こる疥癬は非常に強い痒み・皮膚のただれをともなうため、早急な対処が必要です。
アトピー・アレルギー疾患
ノミ・食べ物・ハウスダスト・花粉などに免疫機能が反応することで痒みが出ます。
一般的に、食物アレルギーでは顔、アトピーでは耳や肉球、指の間をかゆがることが多いでしょう。
生後6ヵ月頃から発症することが多く、常にどこかを掻いているような仕草がみられます。
その他病気
ホルモン疾患や自己免疫疾患など、一見皮膚と関係なさそうな病気も痒みを起こします。
天疱瘡やエリテマトーデス、甲状腺機能低下症などの病気は、発症すると細菌感染を起こしやすくなります。
その結果、膿皮症や毛包炎などの感染症が起き、患部にかゆみが起こるというわけですね。
皮膚の症状から考えられる病名~原因と治療方法~
- 外耳炎
- 膿皮症
- 角化型疥癬
- 皮膚糸状菌症
- マラセチア皮膚炎
- 甲状腺機能低下症
- 犬アトピー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
これらの皮膚病は、痒みの他に湿疹・独特の体臭などの症状がみられることが多いです。
動物病院に行くかどうかの見分け方としては、脱毛や体臭、皮膚の赤みや湿疹の有無でチェックします。
これら痒み以外の様子がみられた時は、動物病院を受診し、詳しい検査を受けましょう。
動物病院での治療はどんなものがある?
皮膚病の治療では、抗生剤や抗真菌剤、駆虫薬の投与が一般的です。
かゆみがひどい場合はステロイドや抗ヒスタミン剤を併用し、症状を抑えます。
また、抗菌作用のある薬用シャンプーで1~2週間に数回、薬浴をするよう指示が出ることもあります。
食物アレルギーによる痒みが疑われる時は、アレルギー用の療法食で様子をみます。
フードを変更してもしばらくは痒みが続くので、落ち着くまでは内服薬を併用し、観察します。
1~3ヶ月程度で皮膚の状態・痒みが落ち着けば、療法食以外のドッグフードを少しずつ試すなどしても良いでしょう。
自宅でできる!犬のかゆみの対処法5選
ここでは、投薬治療以外に自宅でも取り組める痒み対処法を紹介します。
今日からすぐ実践できるものばかりなので、ぜひ日頃のケアにプラスしてみましょう。
原因に合ったアレルギー対策をする
食物アレルギーであれば、原因となる食べ物は与えないことが大切です。
アレルゲンが含まれるドッグフードは処分し、体質に合ったものを選びましょう。
食物アレルギー用のフードはいろいろあるため、動物病院で紹介してもらうといいですね。
ノミ・ダニ予防薬は1年中付けよう
ノミ・ダニなどの寄生虫が痒みの原因であれば、予防薬を塗布する習慣を付けること。
昔は暖かい時期だけで良いといわれた予防薬ですが、温暖化の影響でノミ・ダニの活動期間は延びています。
ノミ・ダニは室内の温度が13℃以上であれば冬でも活動できるため、予防薬は常に使った方が安心といえるでしょう。
こまめにブラッシングをする
抜け毛や毛玉は皮膚の通気性を悪くさせ、皮膚トラブルにつながります。
特に換毛期は毛が大量に抜け落ちる時期なので、普段より皮膚トラブルも多くなります。
ブラッシングはこまめに行い、皮膚の清潔をキープしてあげてくださいね。
シャンプーで皮膚を清潔に
月に1~2回のシャンプーは、皮膚の痒み予防に最適です。
ゴシゴシこすると皮膚が傷ついて乾燥しやすくなるため、優しく洗いましょう。
洗った後はタオルでしっかりと水分を吸い取り、完全に乾くまでドライヤーを当てること。
ドライヤーが近すぎると皮膚が乾燥し、かえって痒みを引き起こしてしまうため、適度な距離感を保ちましょう。
時折、犬の皮膚に手を当てて、皮膚が熱くなりすぎていないかチェックしてくださいね。
なお、皮膚が乾燥しやすい時期は、保湿をしてあげるのも効果的です。
特にシャンプー後は皮膚が乾燥しやすいため、全身に使える保湿剤を用意しておきましょう。
サプリメントで皮膚ケアを
皮膚のバリア機能を健康に保つには、バランスの整った食事が必要です。
ビタミンやミネラルなど、皮膚バリアに関係する栄養素は不足しやすいため、サプリメントを活用するのもおすすめです。
ごはんにかける液体タイプやお肉のフレーバーがついたものなど、サプリには色々な種類があるので、愛犬が気に入りそうなものを探してみましょう。
飼い主さん自身も正しい知識を
犬が痒がる原因は様々であり、原因に合った対処をとることが大切です。
痒みを放っておくと、皮膚病が悪化したり、痒みが慢性化する可能性もあるでしょう。
犬は「痒い」「痛い」という身体の不調や不快感を言葉で表現できません。
大切なのは、飼い主であるあなた自身が、愛犬の出している痒みのサインに気づくこと。
痒みの原因が病気にある場合は、早めに治療を始めれば改善も早いため、なるべく早く動物病院を受診してくださいね。