老犬がご飯を食べない時に考えられる原因は？対処法や食べさせ方について

公開日:2022年05月19日／最終更新日:2022年06月14日

愛犬がシニア期に入り食が細くなったという悩みを持つ人はきっと多いかと思います。
しかし、まったく食べなくなってしまっては命にも関わりますし心配ですよね。
この記事では、老犬がご飯を食べない時の原因や対処法について詳しくお話します。

老犬がご飯を食べない原因は？

そもそも、老犬がご飯を食べなくなってしまう原因には一体どのようなものがあるのでしょうか。
いくつか考えられますが、代表的なものは下記の原因です。

代謝や消化機能が低下して食欲が落ちている
味覚や嗅覚が鈍ってしまい、そのご飯がおいしいものなのか判別できない
歯や飲み込む力が弱くなり、ご飯が食べづらい

人間同様に、犬も歳をとると体にはさまざまな変化が現れます。
老犬になってからも若い時のままご飯をあげてしまうと、食べづらかったり食欲さえも湧いてこなかったりするのですね。

ですが、ここでご紹介したのはあくまでも「老化が原因」の場合です。
老犬ということに気を取られてしまい、じつは隠れた病気が原因で愛犬がご飯を食べないというケースも十分にあり得ます。

老犬がご飯を食べなくなった時には、まずはかかりつけの動物病院で老化以外にご飯を食べない原因がないかをしっかり診てもらうようにしてくださいね。

自分の愛犬がご飯を食べない理由を考える

老犬がご飯を食べない原因についてお話してきました。

老犬の場合は特に、ご飯を食べなくなったら心配で仕方がないですよね。
飼い主は「とにかく食べてほしい」と思うのが自然です。
しかし、先ほどお話したように老犬がご飯を食べない原因にはいろいろなものがあるので、まずは「なぜ食べないのか」という理由を見つけ出すように心がけましょう。

例えば、「ご飯は食べるのにおやつは食べる」という老犬も珍しくはありません。
この場合にもさまざまな理由があるのですが、食べづらいのかと思いきや実は食べるフードを選り好みしていた・・・というケースもとても多いです。
こうした時に「老犬のために」とシニア用のご飯を与えても、もっと嫌がってしまい食べてはくれません。

まずは、自分の家の老犬がなぜご飯を食べないのか、注意深く観察して見極めるようにしましょう。

老犬がご飯を食べない時の対処法

老犬がご飯を食べなくなった時には理由を見つけ出すことが大切だとお話しましたが、そのためにもまずはさまざまな方法で老犬にご飯を与えてみなくてはいけません。
ここからは、具体的にどのような対処法をとれば良いのかを解説します。

食事の回数や量を調節する

これは「代謝や消化機能が低下して食欲が落ちている」という場合に効果的な対処法です。

老犬の内臓に負担がかかってしまわないよう、まずはご飯の量を調節するところから始めてみましょう。
適量を与えているのに食べなかったり残したりしてしまう時には、1回分を数回に分けて与えてみるのもおすすめです。

無理に急かしたりご飯すべてを食べさせたりせず、ゆっくりと愛犬のペースで与えることも大切ですよ。

ウェットフードやふやかしたご飯を与える

こちらの対処法は「味覚や嗅覚が鈍ってしまい、そのご飯がおいしいものなのか判別できない」「歯や飲み込む力が弱くなり、ご飯が食べづらい」という老犬に有効な方法です。

犬は元々視覚はそこまで優れていません。
嗅覚が4割・聴覚が3割と生活におけるほとんどのものを「匂い」で感じ取っているのです。

ご飯においても同じで、老犬になって嗅覚が落ちてきてしまった犬にとっては「目の前に出されたご飯が安全でおいしいものなのか」を判別することは至難の業です。
老犬でも安全でおいしいご飯だとわかるように、ご飯を与える際には「フードの匂いを強くする」という工夫をしてみましょう。

老犬用に香りの強い低カロリーで高タンパクなウェットフードを選ぶのでもいいですし、普段あげているドライフードをお湯でふやかして冷ましてから与えるのもいいですね。
柔らかいので、歯や飲み込む力が’弱い老犬でも食べやすく安心です。

こうしてウェットフードやふやかしたフードは「匂いを強くする」だけではなく「老犬が水分を摂りやすくする」効果もあり、水分不足で便秘や熱中症に陥りやすい老犬には最適な方法です。

食器の高さを変えてみる

老犬になると、身体も以前のままのようには動かせなくなります。
首を曲げるのにも一苦労なので、フードに問題があるわけではなく「ただ単にご飯の位置が低すぎて食べづらい」ということも多々あります。

首を下に曲げずに食べられるように、食器の下に台を置いてあげたり食器ごと老犬用の高さがあり器の底が斜めになっているものに変えてあげたり、老犬でも身体に負担がなく食べられる工夫をしてあげましょう。

工夫しても食べない老犬へのご飯の与え方

老犬がご飯を食べない時の対処法をご紹介しましたが、それでも食べてくれない時には体力が落ちて命に関わることもあるため「強制給餌」が必要となる場合があります。

シリンジを使った方法もありますが、自宅でも比較的行いやすい方法で言うと「柔らかくしたフードを歯や上顎につけて飲み込ませる」というものがいいかもしれません。
しかし、指に取りやすく上顎に上手くつけられるように水分量の調節が必要で、愛犬に噛み付かれないよう注意しなくてはいけない点もあります。
愛犬の状態を見ながらゆっくり行いましょう。

シリンジと口の中に貼り付ける方法のどちらで行うにしても、まずはかかりつけの獣医師に相談するのが安心ですよ。