バーニーズマウンテンドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

バーニーズマウンテンドッグ

お散歩目安 1日60分以上
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Bernese Mountain Dog

バーニーズマウンテンドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

バーニーズマウンテンドッグの基本情報

英名 Bernese Mountain Dog
愛称・別名 バーニーズ、デュールベッヘラー
原産国 スイス
寿命 7歳〜10歳
サイズ 大型犬
体重 オス:36kg〜52kg
メス:31kg〜43kg
体高 オス:64cm〜70cm
メス:58cm〜66cm
分類 2G:使役犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

バーニーズマウンテンドッグの歴史

バーニーズマウンテンドッグの歴史

バーニーズ・マウンテン・ドッグは、スイスを原産とするマウンテンドッグ4種のうちの1種です。
2000年以上も前からアルプスの山岳地帯で、牧畜犬、護衛犬、輸送・運搬の際に荷物を牽引するなどの使役をしてきた長い歴史を持つ犬種です。
ローマ帝国がスイス侵攻時に連れていたマスティフ種がその祖先とされており、スイス山岳部に土着していた犬と交雑した結果誕生したと考えられています。
その後は厳しい気候ゆえに周囲との交流が限られた山岳地方で生活をしてきたことから、他犬種と交わることが少なく、犬種本来の特性を長年受け継ぐことが出来ました。

現在のスイス・ベルン州にあたる地域では特にこの犬種が多く飼育されていた歴史があり、この地方にあった旅館の名称から、当時バーニーズ・マウンテン・ドッグは「デュールベッヘラー」という名称で呼ばれ、その温和な性格や服従性からも活躍の場を広げていきました。
しかし次第に産業構造が変化すると、山岳地帯でも犬にソリを引かせて荷物を運搬する機会が減少し、大型の犬を飼育する手間を敬遠するようになっていきます。
その結果、バーニーズ・マウンテン・ドッグも類にもれず頭数は激減し、一時は絶滅までも危ぶまれました。

その危機を救ったのはスイスの愛好家たちです。
バーニーズ・マウンテン・ドッグがもつ漆黒の被毛や特徴的な模様、重量感のある骨格は愛好家達の強い支持を受け、絶滅を回避する策が講じられることになりました。
1907年頃には種の保存を目的とするスイス・デュールバッハ・クラブが設立され、1910年には100頭を超えるバーニーズ・マウンテン・ドッグがドッグショーに参加するほどまでに飼育頭数が回復しています。
その後は欧米にも人気が広まり、今では世界中で愛される犬種となりました。

日本でも1900年代前半に起きた大型犬ブーム、2000年代に起きたペットブームの際に高い注目を浴び、一時はゴールデン・レトリバー等と並ぶほどの人気ぶりを見せました。
しかしバーニーズ・マウンテン・ドッグは、元来極寒の地で生息することを前提に体が作られているため、日本の高温多湿な環境に馴染むことは容易ではありません
そのため一時に比べると飼育個体数は減少傾向にあります。
現在は以前に比べ小柄なタイプが主流となっており、愛好家たちには今なお変わらぬ人気を博しています。

バーニーズマウンテンドッグの特徴や性格

バーニーズマウンテンドッグの特徴や性格

バーニーズ・マウンテン・ドッグは大型犬特有のおおらかさを持ち、何事にも動じず、マイペースに生活をする犬種です。
しつけは比較的覚えが早く、飼い主にも忠実です。
人や犬への攻撃性を見せることも少なく、子供とも友好的な関係性を築くことが出来ます。

ただ家族以外の人間には一定の距離を置いたり、人見知りをすることも多くみられます。
大型犬特有の無条件の社交性は持ち合わせていないので周囲との交流には適度な注意を払いましょう。
また3、4歳頃のオスは一時的に血気盛んな時期があり、他犬との不用意な接触を避けることが必要となります。
バーニーズ・マウンテン・ドッグは、成犬時には体重が38kg~52kgにまでなる大柄で骨太な犬種です。
同サイズのゴールデン・レトリバーに比べ重量感があることから、飼育には男性の手が不可欠となります。

身の危険を感じた時や、動物病院の診察などの慣れない場面に遭遇した時には日ごろ見せない獰猛な一面が見える場合もあります。
大型犬全般に言えることですが、普段はおとなしいからと油断をすると、飼い主であっても怪我を負う危険があるので油断は禁物です。

バーニーズマウンテンドッグの飼い方

バーニーズマウンテンドッグの飼い方

バーニーズ・マウンテン・ドッグを日本で飼育する場合、暑さ対策は欠かせない必須条件となります。
春頃からすでに日常生活で息があがるほどの暑さを訴え始めるため、室温管理はエアコンはもちろんの事、保冷製品の活用や風通しの良い環境を整えることで対処しましょう。

暑さの厳しい時期には散歩をする時間に十分な注意が必要です。
散歩中に熱中症を起こすことや心臓に過度な負担がかかることで突然死をしてしまうこともあります。

元来この犬種は他犬種との交雑が少なかったことから、アレルギー発症率が低いとされていましたが、数世代にわたりペットとして国内で繁殖を経たことで、徐々にアレルギーの発症率が高まり始めています
日々の食事は必要量が多いからと安易に粗悪品を与えるのではなく、良質で安全性の高い製品を与えましょう。

自宅でシャンプーをする場合は密集した被毛が生乾きにならないよう十分に注意をして、抜け毛対策を講じてあげることも大切です。

運動に関しては日々多くの消費量が必要となります。
大柄な体形から俊敏な動きや長時間の連続運動には向かないものの、ドッグランなどで全力疾走できる機会を作ることも欠かせません。
大柄な体を支えるには適度な筋力の発達が必要です。
肥満を予防し、健康を維持するためにも散歩だけでなく、様々な運動の機会を作ってあげましょう。

バーニーズマウンテンドッグの毛色

バーニーズマウンテンドッグの毛色

バーニーズ・マウンテン・ドッグの毛色は黒、白、茶の3色からなるトライカラーのみが認定されており、ダブルコートの長毛になっています。
顔の中央に走る白いラインは幅や長さに個体差があります。

バーニーズマウンテンドッグの気をつけたい病気や怪我は?

バーニーズマウンテンドッグの気をつけたい病気や怪我は?

バーニーズ・マウンテン・ドッグは組織球腫と呼ばれる皮膚の腫瘍を多く発症してしまう犬種として知られています。
この腫瘍は悪性の場合が多く、原産国のスイスで行われた調査によると、実に4割もの個体がこの病気を含む悪性の癌で死亡しているとされています。
腫瘍による癌は早期発見、早期治療がその生死を分けます。
少しでも異変を感じたらすぐにかかりつけの獣医師に相談するようにしましょう。

また、バーニーズ・マウンテン・ドッグも他の大型犬同様、股関節形成不全を先天的に患っているケースが多々あります。
この症状の進行を防ぐためには、日ごろから体重管理を心がけ肥満を予防し、適切な運動を習慣化し筋力を維持することが大切です。
その他にも垂れた耳は通気性が悪く、外耳炎が慢性化しがちなため、週に数回の耳掃除も子犬の頃から習慣として受け入れるようしつけを行うようにしましょう。

大変食欲が旺盛な犬種ですが、食後に腸捻転を起こすことも多いので、食事は少量ずつ複数回に分け与えると予防効果が高まります。

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