チャイニーズクレステッドドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チャイニーズクレステッドドッグ

お散歩目安 1日30分程度
ブラッシング頻度 2〜3日に1回
トリミング 不要
Chinese Crested Dog

チャイニーズクレステッドドッグってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

チャイニーズクレステッドドッグの基本情報

英名 Chinese Crested Dog
愛称・別名 チャイクレ、チーリンコウ
原産国 中国
寿命 13歳〜18歳
サイズ 小型犬
体重 3kg〜5.5kg
体高 オス:28cm~33cm
メス:23cm~30cm
分類 9G:愛玩犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

チャイニーズクレステッドドッグの歴史

チャイニーズクレステッドドッグの歴史

チャイニーズ・クレステッド・ドッグは世界でも珍しいヘアレスドッグの一種です。
その起源は当初、ペルー原産のヘアレス犬種である「ペルービアン・ヘアレス・ドッグ」との血縁関係が考えられていました。
しかし近年のDNA研究によりその説は完全に否定され、現在ではコンゴを原産とする「バセンジー」の遠縁にあたる「アフリカン・サンド・ドッグ」という犬種がその祖先犬だと推定されています。

13世紀頃、交易により中国へと渡ったアフリカン・サンド・ドッグは中国の愛玩犬と交配され、現在のチャイニーズ・クレステッド・ドッグの姿が確立されていきました。
当時中国にはこの犬種とは別に、被毛を全く持たないチャイニーズ・ヘアレス・ドッグという犬種も存在していましたが、現在は絶滅してしまっています。
この2犬種は大変よく似通っているものの、全くの別種と考えられています。

中国でのチャイニーズ・クレステッド・ドッグは、身分の高い人々の愛玩犬としてその地位を確立してきました。
その独特の容姿から珍重され、海外へ献上されることも多々あったようです。
希少ながらも安定して飼育されてきたチャイニーズ・クレステッド・ドッグですが、清朝崩壊から第二次大戦終了までの戦時中に、イギリス占領軍による中国原産の犬の大量処分が行われ、一時は絶滅の危機に瀕してしまいます。
しかし戦前に海外へ送り出されていたことが救いとなり、少ないながらも血統を絶やすことなくこの危機を乗り切り、1981年には晴れてイギリスのケンネルクラブにて犬種の登録が行われました。

名称の由来ともなった「チャイニーズ・クレスト」とは、中国古来の髪型である「辮髪(べんぱつ)」のことで、この犬種が持つ特徴的な頭部の被毛がそれに似ていることから名付けられましたが、当の中国では被毛の生え方が伝説上の霊獣である麒麟に似ていることから「麒麟狗(チーリンコウ)」という別名で呼ばれることもあるようです。

近年では様々な国で飼育され、チャイニーズ・クレステッド・ドッグは大変希少な犬種としてたびたび話題に上がります。
世界的に見るとヘアレスドッグは複数種存在していますが、中でもこのチャイニーズ・クレステッド・ドッグが最も飼育頭数が多く、ヘアレス犬種の中では一線を画した人気を博しています。

チャイニーズクレステッドドッグの特徴や性格

チャイニーズクレステッドドッグの特徴や性格

チャイニーズ・クレステッド・ドッグの一番の特徴と言えば、やはりその独特な被毛でしょう。
完全なヘアレス犬種とは異なり、頭頂部、四肢、尻尾だけには豊富な被毛が生え揃います
しかしそれ以外の大半は地肌が露出した状態で、もちろん寒さや乾燥には弱く、肌の特別なケアは欠かせません。

また、チャイニーズ・クレステッド・ドッグは出産にも特徴があり、生まれる数匹の中には必ず全身を被毛で覆われた子犬が誕生します。
これは豊富な被毛を持つことにより、胎内で他の子犬たちの身体を温める役割を果たしています。
そのため同じ犬種ではあるものの、外見が全く異なる2タイプが存在しています。
この全身に被毛を持つタイプは「パウダーパフ」と呼ばれ、チャイニーズ・クレステッド・ドッグ同士の交配の際はペアの片方をこのパウダーパフタイプの個体にすることが理想的とされています。
ヘアレス同士のペアは流産や早産、先天性疾患など様々なリスクを抱えがちのため、基本的に推奨されていません。
しかし、パウダーパフ自体の頭数が大変少ないことから、交配相手を見つけることには困難が伴います。

性格はとても繊細で時には内向的と感じることもあるでしょう。
ただ家族にはやんちゃで活発、甘えん坊と感じられます。
体つきが華奢なこともあり、周囲への攻撃性はありませんが、臆病で引っ込み思案になりがちで他犬や他人との触れ合いを好まないことも多々あります。

チャイニーズクレステッドドッグの飼い方

チャイニーズクレステッドドッグの飼い方

チャイニーズ・クレステッド・ドッグを家族に迎える場合は、デリケートな皮膚のケアが欠かせないことを知っておく必要があります。
被毛で覆われていないので、冬の寒さや気温差、乾燥は健康維持に大きなダメージを与えます。
秋の気配を感じ始める時期から洋服を日常的に着用させ、寒さ対策を講じてあげましょう。
また体質に応じて皮膚の保湿ケアも重要です。

運動はさほど長時間必要としませんが、本来は活発な性質を持っているので、気分転換もかねて外出を習慣化してあげることをおすすめします。
しつけは比較的覚えが早くスムーズですが、大変繊細な気質のため激しく叱る、体罰を用いるという手法は絶対にNGです。
言葉やご褒美を活用し頭で理解できるよう促す方法でトレーニングを行いましょう。

小型犬特有の食へのこだわりもみられ、偏食、少食に悩まされることもあります。
しかし犬種の特性上肥満になることはほぼありません。

チャイニーズクレステッドドッグの毛色

チャイニーズクレステッドドッグの毛色

チャイニーズ・クレステッド・ドッグの毛色は大変バリエーションが豊富で、クリーム、チョコレート、ブラック、ブルーなど様々な毛色が認定されています。
日本では比較的薄いクリームなどが人気ですが、交配をする際は毛色による遺伝的疾患リスクも踏まえてよく検討し、ペアを作るようにすることが大切です。

チャイニーズクレステッドドッグの気をつけたい病気や怪我は?

チャイニーズクレステッドドッグの気をつけたい病気や怪我は?

チャイニーズ・クレステッド・ドッグは先天的に膝蓋骨脱臼を患っていることがあります。
生後1、2か月で判定を下すことも可能ですが、症状は成長過程で改善されることも悪化することもあり断定はできません。
華奢な体つきをしているため、日々の生活では床材の工夫や段差、階段の昇降に注意をする必要があります。

また大変デリケートな皮膚は、アレルギーや外部からの刺激を受けトラブルを起こすことも多々あります。
日ごろから皮膚のケアを習慣化し、保護することを常に意識してあげましょう。

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