スタンダードシュナウザーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

スタンダードシュナウザー

お散歩目安 1日60分以上
ブラッシング頻度 毎日
トリミング 必要
Standard Schnauzer

スタンダードシュナウザーってどんな犬?歴史・性格・飼い方について

スタンダードシュナウザーの基本情報

英名 Standard Schnauzer
原産国 ドイツ
寿命 13歳〜16歳
サイズ
体重 14kg〜20kg
体高 45cm~50cm
分類 2G:使役犬

※当サイトの犬種データのサイズは、犬種標準としてJKC(ジャパンケネルクラブ)が明確に定めている場合はそちらを元に、その他の場合は「目安」としてKC(イギリス)やAKC(アメリカ)などの情報を参考に算出し、掲載しております。
犬種標準は「犬種の理想像を作りあげて記述したもので、ドッグショーの出陳並びに計画繁殖する犬の参考にするもの」とされており、個体差の大きい犬種では本データのサイズから外れるケースも多くあります。
しかし、犬種標準から外れていても、その犬種の一般家庭におけるパートナーとして問題があるわけではありません。サイズに関しましてはあくまでも目安として、飼育を検討する際のご参考になれば幸いです。

スタンダードシュナウザーの歴史

スタンダードシュナウザーの歴史

ドイツを原産とするスタンダード・シュナウザーは、「シュナウザー種」の元祖とされる犬種です。
その歴史はおよそ14世紀ごろ、ドイツの南部地方で誕生したことから始まりました。
主に牧場や農場で活躍していた犬種で、かつては「ピンシャー」の名称で呼ばれていました。

その名の通り、スタンダード・シュナウザーの作出には「ピンシャー犬種」が大きく関わっており、同じくドイツ原産のミニチュア・ピンシャーやドーベルマンの祖とされる「ジャーマン・ピンシャー」とは兄弟犬にあたります。

現在の「シュナウザー」という名称が付けられのは1890年代になってからのことです。
1879年、ドイツで開催されたドッグショーに出た際にはまだ「ワイヤーヘアード・ピンシャー」という名称で出陳されていましたが、その際に優勝した犬の名前が「シュナウザー」でした。
この名が後に犬種の名称として広く定着していったといわれています。

この「シュナウザー」は、ドイツ語で「口ひげ」という意味です。
その名の通り、スタンダード・シュナウザーの口元には、仙人を思わせるような立派な被毛が生えており、これがこの犬種の最大の特徴とも言えます。

ショードッグとしての活躍により、それまで牧場犬や番犬としての「使役犬」からスタンダード・シュナウザーは活躍のフィールドを徐々に広げ、徐々に一般家庭にも普及していきます。
1900年代になると、家庭での飼育需要から小型化も進められ、その結果誕生したのが現在でも人気の「ミニチュア・シュナウザー」です。
また、その少し前の時代には大型のシュナウザーも作出されており、これが現在のジャイアント・シュナウザーの原型となりました。

第一次世界大戦の時代には、ジャイアント・シュナウザーとともに、スタンダード・シュナウザーは軍用犬としての役割も務め、伝令係や救護犬として活躍した歴史も持っています。

その後世界的に飼育されるようになったスタンダード・シュナウザーですが、日本ではペットとしての需要は、派生したミニチュアやジャイアントの方が高く、スタンダード・シュナウザーは一部の愛好家によって飼育されるに留まっています。

スタンダードシュナウザーの特徴や性格

スタンダードシュナウザーの特徴や性格

スタンダード・シュナウザーは体重が14〜20kgほどの中型犬です。
その最大の特徴となる「口ひげ」をボリューミーに残し、アレンジするカットが人気の犬種です。

性格は大人しく、聡明で、長い歴史を人に使役してきたという経験から、非常に従順なタイプの犬種といえるでしょう。
飼い主を守ろうとする意識が高く、来客時には吠えて主人に相手が来たことを知らせます。
一説では、この吠え声には種類があり、「自分や主人にとって良い人・悪い人」を区別して吠えているともいわれます。

こうしたことから訓練次第では番犬としての能力も抜群で、競技用の犬としても飼育することが可能です。
同犬種同士ではあまり争わない性質を持つため、多頭飼いには比較的適しているといえるでしょう。

スタンダードシュナウザーの飼い方

スタンダードシュナウザーの飼い方

とても活発で運動することが得意なスタンダード・シュナウザーは、散歩も大好きで長時間の運動もこなせる体力があります。
そのため、毎日の散歩は1日60分以上しっかりと歩かせてあげるようにしましょう。
運動量が消費できず、ストレスが溜まってしまうと無駄吠えなどの問題行動が増えてしまうため、マンションなどの飼育では注意が必要です。
休日などにはドッグランなどに訪れ、思いっきりその運動能力を発揮させてあげるようにしてください。

しつけに関しては頭の良い犬種のため、そこまで苦労はしないでしょう。
子犬の頃から吠えることに対する教育を行えば、来客時でも静かにしていることが可能です。
一方で、頭が良すぎる故に、一度覚えてしまうとなかなか忘れてくれません。
間違ったことを良しとしてそのままにしてしまうと、成犬になってもその行動が繰り返されてしまうため、子犬のころから悪いことはしっかりと矯正する必要があります。

体毛はモコモコとした「ワイヤータイプ」のため、ブラッシングには少し手間がかかります。
しかし、この犬種を飼う上で被毛のお手入れは非常に重要となるため、犬種の特性と理解し、毎日しっかりブラッシングしてあげるようにしてください。
体毛が絡まってしまうと、汚れを吸着しやすくなり、皮膚病の原因にもなるため、コーミングなども忘れずに行いましょう。

スタンダードシュナウザーの毛色

スタンダードシュナウザーの毛色

スタンダード・シュナウザーの毛色は、2種類のみです。
ジャイアント・シュナウザー同様、「ブラック」「ソルト&ペッパー」がこの犬種の毛色で認められており、ミニチュアに比べると少し種類が少なくなります。

また、個体によってはブラックにグレーが少し混ざった「グリズル」と呼ばれるものも存在します。

スタンダードシュナウザーの気をつけたい病気や怪我は?

スタンダードシュナウザーの気をつけたい病気や怪我は?

スタンダード・シュナウザーは、他の犬種に比べると比較的丈夫で、基礎疾患が少ないのも嬉しい特徴です。
しかし、その特徴的な体毛により、やや「眼病」のリスクは高い傾向にあります。
そのため、出来れば目のまわりなどはすっきりとしたカットを心掛けてあげると、リスク低減につながります。

また「尿結石」にかかるケースもあるため、かかりつけの動物病院で、年に一回定期的な検診を受けるようにしておきましょう。

なお、寒さには強い犬種ですが、逆に暑さに対しては弱く、日本の高温多湿な夏場には「熱中症」に気をつける必要があります。
夏場は涼しい環境を提供してあげ、お散歩も陽が落ちた時間帯を選ぶようにしましょう。

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