愛犬の目の中にゴミが入ってしまっている場合の対処法

愛犬の目の中にゴミが入ってしまっている場合の対処法

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「愛犬の目に白い線のようなものが見える」
そう思ってよくみたら、細い毛や小さなゴミが入っていた…という経験はありませんか?
特にチワワやパグなど目が前に突出している犬種では、普通に暮らしているだけで目にゴミが入りやすい傾向があります。
今回は、犬の目の構造と特徴、ゴミが入った時の正しい対処法・間違った対処法などについて説明します。

犬の目に入ったゴミは無理してとる必要は無い

犬の目に入ったゴミは無理してとる必要は無い

人間の場合はゴミが目に入った途端に痛みを感じますが、犬は意外と気にしないもの。
目に入ったゴミは涙や瞬膜によって自然と洗い流されるため、無理して取る必要はありません。
犬が気にしてないようであれば、そのまま何もせずに様子をみましょう。

ちなみに、犬の目には瞬膜(第3眼瞼)と呼ばれる特殊な膜があります。
瞬膜とは目の中に入ったゴミを目じりのほうにかき集めるワイパー的な役割を持つ膜のこと。
両生類や魚類・犬猫など一部の哺乳類で発達しており、角膜を保護したり、涙の分泌量を増やしたりすることができます。
瞬膜は私たち人間にはない特殊な器官であることから、犬や猫の目は人間よりも優れたシステムを持っているといえるでしょう。

瞬膜は目の内側に隠れているため、通常であれば見た目で瞬膜が分かることはありません。
そのため瞬膜が常にハッキリ見えるようであれば、体調不良やチェリーアイなどのトラブルを抱えている可能性があります。
愛犬の目頭側に赤く膨らんだ膜が確認できる場合は、かかりつけの動物病院で診察を受けるようにしましょう。

犬が気にしているなら、早めにとってあげよう

犬が気にしているなら、早めにとってあげよう

目に入ったゴミを気にしないことが多い犬ですが、時には人間のように異物感を感じることもあります。
もし愛犬が目に入ったゴミを気にして目をこすったり、掻いたりしている場合は、できるだけ早く対処してあげましょう。

当然のことながら、犬は「これ以上こすると目が傷ついてしまうかも…」などと思ったりしません。
ほとんどの犬は一度こすったら違和感がなくなるまでこすり続けるため、角膜に傷をつけたり、まぶたが腫れたりしてしまいます。
また、散歩で外にできる犬の前足には目に見えない細菌がたくさん潜んでいるため、結膜炎などの感染症を起こす可能性も考えられます。
犬が目をしょぼしょぼさせていたり、前足でしきりにこすったりしているような様子が見られたら、ゴミが入っていないか確認してあげましょう。

長時間ゴミが目に入っていると、角膜や結膜に炎症が起こることも

長時間ゴミが目に入っていると、角膜や結膜に炎症が起こることも

被毛やほこりなどのゴミが目に長時間入っていると、角膜炎や結膜炎などの病気を引き起こすこともあります。
目になんらかの炎症を起こした犬は、目の充血や痛み、ゴロゴロとした違和感や目ヤニ・涙が増えるなどの症状を表します。
もし愛犬の目に入ったゴミが24時間以上たってもなくならない場合は、以下でご紹介するような方法でゴミを取ってあげましょう。
たとえ愛犬が目に入ったゴミを気にしていない場合でも、取れたかどうか定期的にチェックしてくださいね。

やってはいけない「犬の目に入ったゴミのとりかた」

やってはいけない「犬の目に入ったゴミのとりかた」

とはいえ、ゴミさえ取れればどんな方法でもよいというわけではありません。
犬の眼球はとてもデリケートなため、間違った方法でゴミを取ろうとするのは危険です。
犬の目に入ったゴミを取る時は、以下のような方法は絶対に避けるようにしましょう。

やってはいけないゴミの取り方

  • 指をいれて取る
  • ピンセットでつかみ取る
  • ティッシュペーパーでこする
  • 人間用の目薬で洗い流す

これらはすべて、犬の目を傷つけてしまう可能性のある方法です。
特に指やピンセットは犬が恐怖を感じやすく、目に近づけた際に暴れて大怪我をすることも・・・。
ゴミを取ろうとしたのに、かえって愛犬に怪我をさせてしまっては本末転倒ですよね。

目の中のゴミは洗い流すのが1番安全

目の中のゴミは洗い流すのが1番安全

犬の目に入ったゴミは、水で洗い流すのが1番安全で確実な方法です。
もし愛犬が目を気にしているようなら、動物用の目薬を使ってゴミを洗い流してあげましょう。

自宅に目薬がない場合は、お弁当用のしょうゆ入れに水道水を入れて目薬代わりにしてもかまいません。
ただし、感染症を防ぐため、容器はよく洗って乾かしたものを使うようにしてください。

目薬のさしかた

1.フタを開けた目薬を利き手で持つ(汚染を防ぐため、決して先端は触らないようにすること)
2.犬をオスワリさせて横に座り、利き手と反対の手でアゴ下を持つ(マズルを掴むと嫌がるので、アゴを支える感覚で)
3.アゴ下を支えているほうの親指で犬の下まぶたを軽く引っ張りつつ、利き手の小指側面で犬の上まぶたをすばやく持ち上げる
4.犬の頭側(死角)から目薬を近づけて液をたらし、ふき取る(犬が落ち着いていたら、3秒ほど目を閉じた状態でキープ)

目薬をふき取る時は、目の表面を覆っている涙までふき取らないように気をつけましょう。
涙には様々な刺激から犬の眼球を守る役割があるため、ふき取ってしまうと反対に角膜炎などを引き起こす可能性があります。
目薬をふき取る時は、目頭や目じりからこぼれだした部分のみを優しくふき取るようにしてくださいね。

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