小脳アビオトロフィーってどんな病気?小脳アビオトロフィーの原因や症状、好発犬種や治療・予防法について

小脳アビオトロフィーってどんな病気?小脳アビオトロフィーの原因や症状、好発犬種や治療・予防法について

小脳アビオトロフィーは、生後間もなく発症する遺伝性の神経疾患です。
猫や馬にもみられる病気ですが、動物の中では犬の発症報告がもっとも多いのが特徴です。
今回は、小脳アビオトロフィーの原因や症状、かかりやすい犬種や治療・予防法について解説します。

【原因】小脳の神経細胞が何らかの理由で劣化・壊死する

【原因】小脳の神経細胞が何らかの理由で劣化・壊死する

小脳アビオトロフィーとは、中枢神経の神経細胞が少しずつ死んでいく病気です。
生まれる前は正常であった神経細胞が、成長とともに細胞異常を起こし、生後半年ほどで発症します。
小脳アビオトロフィーは犬種特異性が非常に強く、遺伝性の神経疾患として知られています。

小脳アビオトロフィーの原因は、まだはっきりと分かっていません。
小脳とは大脳の後ろ側に位置する小さい脳のことで、主に運動機能やバランス感覚をつかさどっている器官です。
小脳アビオトロフィーは、この小脳の神経細胞が劣化・壊死することで様々な運動障害が現れます。

【症状】ふらつき、ナックリング、頭や体の震えがみられる

【症状】ふらつき、ナックリング、頭や体の震えがみられる

小脳アビオトロフィーの症状としては、ふらつき、ナックリング、頭や体の震えなどがあります。
更に、歩幅がバラバラで歩きにくそうにしていたり、食器に口を持っていけないなどの症状もみられるでしょう。
こうした症状は時間とともに悪化していき、最終的には寝たきり・全身介護が必要な状態になります。

小脳アビオトロフィーの症状

  • ・ふらつく
  • ・歩くとよろける
  • ・ナックリング(足の甲が地面につく)
  • ・歩幅がバラバラ(足の位置がかけ離れている)
  • ・寒くないのに頭や体が震える

なお、小脳アビオトロフィーは運動機能のみに障害が出る病気であり、筋肉は正常に機能しています。
筋肉が正常である以上、呼吸器に麻痺が出たり、呼吸が困難になることはなく、悪化によって命を落とすことはありません。

小脳アビオトロフィーになりやすい犬種は?

小脳アビオトロフィーになりやすい犬種は?

小脳アビオトロフィーの好発犬種としては、ケリーブルーテリアが代表的です。
ケリーブルーテリアはアイルランドの国犬で、テリア種の中でも古い歴史を持った犬種です。
激しい気質ゆえ日本で飼育されることはめったになく、世界的な登録数も多くありませんが、根強い愛好家が存在します。

小脳アビオトロフィーになりやすい犬種

  • ・ケリーブルーテリア
  • ・ラフコリー
  • ・ブルドッグ
  • ・アイリッシュセッター
  • ・スタッフォードシャーブルテリア

【治療法】小脳アビオトロフィーの治療法は分かっていない

【治療法】小脳アビオトロフィーの治療法は分かっていない

残念ながら、小脳アビオトロフィーの治療法はまだ分かっていません。
先天性の疾患であるため、根本的な治療法はなく、時間の経過とともに病状は悪化します。
病状の進行とともに介護は困難になっていくため、最終的には安楽死を勧められるケースも多いようです。

一時的な小脳障害や小脳変性症と間違われることが多い

一時的な小脳障害や小脳変性症と間違われることが多い

小脳アビオトロフィーは、一時的な小脳障害や小脳変性症と混同されやすい病気です。
特に小脳変性症は類似点が多く、同じ小脳の障害ではありますが、発症後の予後はまったく異なります。

小脳アビオトロフィーの場合、発症後は時間とともに悪化していき、治ることはありません。
対して小脳変性症は、特に治療をしなくても経過観察の間に治ることもあるなど、発症後も改善する可能性があります。
改善の見込みがないほど進行するケースもありますが、完治する可能性があるという点では大きく異なるでしょう。

ちなみに、小脳変性症はウイルス感染や脳内出血などが原因と考えられています。
その点、小脳アビオトロフィーはきっかけとなるものはなく、あくまで先天性の病気であるとされています。

【予防】小脳アビオトロフィーの明確な予防法はない

【予防】小脳アビオトロフィーの明確な予防法はない

現在のところ、小脳アビオトロフィーの予防法はありません。
ただし、小脳アビオトロフィーは遺伝的要因が大きいとされているため、血縁犬の発病歴は重要です。
犬を迎える時は、小脳アビオトロフィーを発症した血縁がいないかブリーダーやショップに聞いてみましょう。

小脳アビオトロフィーになってしまったら

小脳アビオトロフィーになってしまったら

小脳アビオトロフィーを発症した場合は、食事や排せつ管理を行うなど、一生にわたって介護が必要です。
ただし、小脳アビオトロフィーの犬を介護するのは簡単ではなく、ペットシッターなどの利用が不可欠といえるでしょう。

また、発症後はふらつきによる不慮の事故を予防するため、危険な場所に近づかないよう注意します。
具体的には、高所、階段の上、傾斜のきつい場所、交通量の多い場所、溺れる可能性のある水場などは避けること。
これまでできていたことが徐々にできなくなっていく病気であることを理解し、リスクのある行動はさせないようにすることが大切です。

気になる症状が出たら早めに動物病院を受診しよう

気になる症状が出たら早めに動物病院を受診しよう

小脳アビオトロフィーは主にブルーケリーテリアが発症する病気であり、他の犬種でみられることは稀です。
そのため、小脳アビオトロフィーが疑われるような症状がみられた場合は、他の病気が隠れている場合も多いといえます。
もし愛犬の様子がおかしいと感じたら、できるだけ早く動物病院を受診し、的確な治療を受けるようにしましょう。