犬に白菜を食べさせても大丈夫?メリットと適量、与える際の注意点

犬に白菜を食べさせても大丈夫?メリットと適量、与える際の注意点

公開日:

白菜は、アブラナ科アブラナ属の野菜です。
鍋や炒め物など、さまざまな料理に使われる白菜は、犬に与えても大丈夫
この記事では、犬に白菜を与えるメリットや適量、与える際の注意点を解説します。

犬は白菜を食べても大丈夫

犬は白菜を食べても大丈夫

まずはじめに、犬は白菜を食べることができます
白菜はクセがなく、野菜が苦手な犬でも食べやすいのが魅力です。
特に白菜の旬である10~2月は普段より甘味が増すため、犬の食いつきもアップします。
外側の葉は1枚捨て、食べる部分はしっかり洗ってから与えましょう。

葉の部分はもちろんですが、白菜は芯まで食べられる野菜です。
のどに詰まらないよう、固い芯の部分は小さくカットし、加熱してから与えましょう。
白菜はもともと消化しやすい野菜ですが、火を通すことで柔らかくなり、更に食べやすくなりますよ。

なお、白菜の葉の白い部分にみられる黒い斑点は「ゴマ症」によるものです。
ゴマ症は病気が何らかの病気が原因で起こるのではなく、白菜の生理現象から発生するものです。
見た目は少し悪くなりますが、人をはじめ、犬の体への影響はないため、安心して与えて構いません。

【白菜のメリット】免疫力アップ、むくみ改善、胃腸のサポート、ガン・血栓予防など

【白菜のメリット】免疫力アップ、むくみ改善、胃腸のサポート、ガン・血栓予防など

白菜は95%が水分でできているため、栄養価が高いわけではありません。
しかし、免疫力を高めるビタミンCや利尿作用のあるカリウムは、比較的多く含まれています。
食物繊維も豊富なため、運動不足や加齢などで便秘ぎみの犬には、積極的に与えたい野菜といえるでしょう。
特に寒い時期は、普段より飲水量が減りがちなため、冬場の水分補給源としてもおすすめです。

また、白菜などアブラナ科の野菜には、アリルイソチオシアネートという成分が含まれています。
アリルイソチオシアネートは解毒や抗菌作用を持ち、発がん性物質を取り除く酵素の生成を助ける働きをします。
適量摂取することで、胃液の分泌を促して腸の働きを助けたり、血栓を予防したりすることも可能です。
ぜひ普段のフードにトッピングしたり、手作りご飯の材料として取り入れてみてくださいね。

白菜は「1日の最適カロリーの10%以内」を目安に

白菜は「1日の最適カロリーの10%以内」を目安に

犬に白菜を与えるときは、1日の最適カロリーの10%以内を目安にしましょう。
犬が欲しがるからといって大量に与えてしまうと、肝心のごはんが食べられなくなり、栄養バランスが乱れます。
愛犬の主食はあくまでドッグフードや肉・魚と考え、白菜は副食として取り入れてください。

なお、白菜のカロリーは、100gあたり14ckalです。
これは野菜のなかでもかなり低く、白菜1玉で考えても、茶碗半分の白米ほどのカロリーしかありません。
低カロリーでボリュームのある白菜は、ダイエットにもぴったりの野菜といえますね。

【注意点①】アレルギーを確かめるため少量から与える

【注意点①】アレルギーを確かめるため少量から与える

人の場合、アブラナ科の野菜は「野菜アレルギー」を起こしやすいといわれています、
犬が白菜にアレルギーを起こした例は報告されていませんが、念のため初めて与えるときは注意が必要です。
もし愛犬が白菜を食べた後に嘔吐や下痢をしたり、顔や口周りが赤くなったりする場合は、今後白菜を与えないように。
自宅で様子を見て、数時間で治まるようであれば治療の必要はありませんが、症状が強い場合には動物病院を受診しましょう。

【注意点②】短い加熱時間でビタミンの流出を防ごう

【注意点②】短い加熱時間でビタミンの流出を防ごう

ビタミンCやビタミンB類などの水溶性ビタミンは、加熱したり水につけたりすると、外へ流れ出てしまいます
せっかくの栄養を無駄にしないよう、白菜の加熱時間は葉の部分で30秒程度、芯の部分は1分程度と短めにしましょう。

食材のうま味を逃さないためにも、白菜は茹でるか、蒸して調理するのがおすすめです。
茹で汁には栄養素が流れ出ているため、犬に白菜を与えるときは茹で汁ごと与えると良いでしょう。
肉と一緒に茹でるとうま味が増し、片栗粉でとろみをつけるだけでよく食べてくれますよ。

【注意点③】腎臓病・甲状腺機能低下症の犬は注意

【注意点③】腎臓病・甲状腺機能低下症の犬は注意

白菜に多く含まれるカリウムは、腎臓病の犬があまり摂取しないほうが良いとされている栄養素です。
通常、余ったカリウムは体外へ排出されますが、腎機能の働きが悪いとうまく排出できず、体内に蓄積してしまいます。
カリウムの蓄積は腎臓に負担をかけるため、腎臓病の犬に白菜を与える際は、念のため獣医師に相談しておくと良いでしょう。

また、白菜には甲状腺ホルモンの生成を阻害する「ゴイトロゲン」という物質も含まれています。
ゴイトロゲンによって甲状腺ホルモンが少なくなると、運動量の低下や無気力などを引き起こす可能性があります。
そのため、現在ホルモン治療をしていたり、甲状腺機能低下症を患っていたりする犬では、注意が必要です。

とはいえ、ゴイトロゲンは加熱すると不活性化するため、明らかに異常な量の生白菜を摂取しなければ大丈夫。
過度に心配する必要はありませんが、念のため知識として覚えておいてくださいね。

白菜は犬に与えてOK!与える量と持病には気を付けましょう

白菜は犬に与えてOK!与える量と持病には気を付けましょう

白菜はクセがないぶん、野菜が苦手な犬でも比較的スムーズに食べられます。
しかし、水分量が95%とかなり多いため、たくさん与えてしまうと下痢や軟便を起こします。
白菜はあくまでフードのトッピング程度と考え、飼い主さんがしっかり量をコントロールしてあげましょう。
ぜひ普段の食事に白菜を取り入れて、ダイエットや水分補給などに活用してみてくださいね。

著者・専門家プロフィール

この記事を読んだ人におすすめ