危険犬種ってどんな犬?世界の指定犬種と自治体の対応例

危険犬種ってどんな犬?世界の指定犬種と自治体の対応例

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私たち人間にとって、犬は素晴らしいパートナーです。
反面、犬による咬傷事故もたびたびあり、その都度ニュースや新聞などで大きく報道されます。
この記事では、危険犬種と呼ばれる主な犬種とその特徴、日本の自治体における対応例などについて解説します。
犬を危険にしないために人間がすべきこともまとめているので、ぜひ目を通してみてくださいね。

危険犬種とは「人や他の動物に大きな被害を与える可能性がある犬」

危険犬種とは「人や他の動物に大きな被害を与える可能性がある犬」

危険犬種とは、身体能力や性格上、人や他の動物に大きな被害を与える可能性がある犬のことです。
危険犬種に指定されている犬は国や地域によって異なりますが、多くの場合は飼い方に制限が設けられています。

基本的に、危険犬種に指定されている犬は勇敢な気質を持っています。
飼い主には非常に従順で賢い反面、警戒心が強いため、何かのきっかけで人を襲う可能性があります。
もちろん、適切なしつけや愛情のかけ方で温厚な犬に育てることも可能ですが、基本的な気質を変えることはできません。
実際、危険犬種に指定されている犬では、他の犬種にくらべて過去の咬傷事故や死亡例が多いのが現状です。

危険犬種は正式名称ではない

危険犬種は正式名称ではない

危険犬種という名称は、あくまでひとつの呼び方です。
海外ではいわゆる危険犬種のことを「特定動物」や「特定犬」と呼び、他の犬種と区別しています。
他の特定動物の例としては、クマ・カミツキガメ・ワニ・毒蛇など、人への危害が大きい生き物があります。

対して日本では、犬全般を特定動物に指定していません。
ただし、都道府県や市町村によっては、特定の犬種を条例で規制しているところもあります。
規制対象の犬種を飼育する場合、適切な環境下のもと管理を行うよう、マニュアルが定められています。

世界の危険犬種17つ!特に危険な犬種は?

世界の危険犬種17つ!特に危険な犬種は?

危険犬種リスト

  • 土佐犬
  • 秋田犬
  • 紀州犬
  • アメリカン・スタッフォードシャー・テリア
  • アメリカン・ピット・ブル・テリア
  • アラスカン・マラミュート
  • ウルフ・ハイブリッド
  • グレート・デーン
  • シベリアン・ハスキー
  • ジャーマン・シェパード
  • セント・バーナード
  • ドーベルマン
  • ドゴ・アルヘンティーノ
  • ボクサー
  • ブラジリアン・ガード・ドッグ
  • マスティフ
  • ロットワイラー

このうち、特に危険な犬種とされているのは「アメリカン・ピット・ブル・テリア」です。
ピットブル系の犬種は複数存在しますが、どの犬も攻撃性が高く、非常に危険な犬種といわれています。
アメリカン・ピット・ブル・テリアはもともと闘犬として作られた犬であり、高い闘争心と興奮性を持っています。
過去の咬傷事故の多さから、現在多くの国でピットブルの輸入や飼育が禁止されていますが、日本での規制はありません。

日本で危険犬種が定められた背景

日本で危険犬種が定められた背景

日本で危険犬種が認識されたのは、茨城県で起きた咬傷死亡事故がきっかけです。
昭和54年、茨城県内で放たれていた大型犬が人を咬んで死亡させてしまったことで、特定犬制度が導入されました。
痛ましい事故が起こったことで、今後このような悲劇が起きないよう、県が独自に導入を決めたのです。

現在の日本では、以下の地域が特定犬制度を導入しています。

特定犬制度を導入している地域

  • 茨城県
  • 佐賀県
  • 札幌市(北海道)

このなかには、体のサイズや咬傷歴で特定犬を定めている自治体もあります。
いずれも、人を襲った際に大きな被害が出ると予想される犬種であり、興奮性の高い気質を持っています。

なお、特定犬に定められている犬種だからといって、特別な届け出や免許が必要なわけではありません
日本では生後91日以上のすべての犬に畜犬登録が義務付けられているものの、別途特定犬の登録は不要です。
特定犬を定めている理由としては、あくまで飼い主の意識や地域の人の認知を向上させ、重大な咬傷事故を防ぐこと。
実際、条例が施行されたことによって、危険な犬がいるという報告件数が増えたとの報告が上がっています。

犬を危険にしないために人間がすべきこと

犬を危険にしないために人間がすべきこと

この記事で紹介した犬は危険犬種として扱われていますが、必ずしも狂暴というわけではありません
犬は人間の良きパートナーである反面、咬むための牙を持った強い動物であり、それぞれ違う気質を持っています。
何かのスイッチで自制心を失い、狂暴化する気質に作られた犬種を扱う際は、特に注意が必要なのは言うまでもないことです。

犬を危険にしないためには、飼い主が愛犬の気質を正しく理解したうえで、適切なしつけや管理を行うべきです。
万が一の時には人を殺傷する能力があるということを認識し、適切な訓練を受けさせる責任を持って迎えなければいけません。
危険犬種といわれる犬を飼育する際は、犬種の特性や必要な飼育環境を考慮し、管理できるか慎重に検討しましょう。

危険犬種の飼育は慎重に検討しよう

危険犬種の飼育は慎重に検討しよう

危険犬種と呼ばれる犬達は攻撃性が高く、人間を襲った際の被害は計り知れません。
もちろん、しつけや愛情のかけ方、個体差はありますが、生まれ持った気質は変えることができません
もし、これら危険犬種を飼育したいと思うなら、適切な接し方ができるか十分検討する必要があるといえるでしょう。
自治体によっては危険犬種の飼育に関する遵守事項を定めているところもあるため、必ずチェックしておいてくださいね。

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