流涙症・鼻涙管閉塞ってどんな病気?原因や症状、治療・予防法について

流涙症・鼻涙管閉塞ってどんな病気?原因や症状、治療・予防法について

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鼻涙管閉塞とは、涙を排出する管が塞がっている状態のことです。
鼻涙管が閉塞していると、排出できなかった涙があふれて流涙症につながります。
この記事では、鼻涙管閉塞と流涙症の原因や症状、なりやすい犬種や治療法・予防法を解説します。

【原因】先天性と後天性がある

【原因】先天性と後天性がある

鼻涙管閉塞は、先天性のものと後天性のものとがあります。
先天性の場合、生まれつき鼻涙管が狭かったり、塞がっていたりすることで発症します。
なお、そもそも鼻涙管の入り口である涙点が存在しない場合もあるなど、犬によって状態は異なります。
後天性の場合、炎症や異物、外傷などが原因で鼻涙管が塞がったり、狭くなってしまい、鼻涙管閉塞を発症します。

流涙症の原因は、鼻涙管閉塞をはじめ、マイボーム腺分泌液の不足やアレルギー性結膜炎などがあります。
瞼や鼻のシワの毛が目に入ったり、逆さまつげや角膜炎・眼瞼炎などがきっかけで、発症することもあるでしょう。

【症状】涙が増えて目周囲の毛が茶褐色になる

【症状】涙が増えて目周囲の毛が茶褐色になる

鼻涙管閉塞・流涙症の主な症状は以下の通りです。

  • 涙が出る
  • 目やにが増える
  • まぶたが腫れる
  • 目周囲に皮膚炎を起こす
  • 目周囲の目が茶褐色になる(涙やけ)

鼻涙管閉塞・流涙症では、特に目立った症状はありません
常に涙があふれ出ていることで涙の筋ができることはありますが、痛みや違和感などはなし。
犬にとって大きな苦痛を感じる病気ではなく、命に関わることもないでしょう。

ただし、常に目周囲が湿っていると皮膚炎を生じたり、臭いが出たりすることもあります。
皮膚炎を起こした場合、目周囲の皮膚が痒くなったり、痛みを感じたりするため、早期ケアが必要です。
なお、流涙症の症状は生後2ヶ月未満ではみられないといわれており、成長後に発症するケースが多いでしょう。

涙やけはポルフィリンという成分によって起こる

涙やけはポルフィリンという成分によって起こる

無色透明な涙が原因で、なぜ茶褐色の涙やけができるのでしょうか?。
涙が付着して毛色が変わってしまうのには、涙の成分であるポルフィリンという成分が関係しています。
ポルフィリンは鉄分が分解する過程で作られる成分で、涙をはじめ、消尿、唾液を介して体外へ排出されます。
実はこのポルフィリン、日光に当たると赤褐色の色素に変わる特性を持っているという、少し変わった成分なのです。
そのため、流涙症で涙が常に目周囲を濡らしていると、ポルフィリンによって色素沈着を起こすのですね。

鼻涙管閉塞・流涙症になりやすい犬種は?

鼻涙管閉塞・流涙症になりやすい犬種は?

先天性の鼻涙管閉塞・流涙症は、以下の犬種に多いとされています。

鼻涙管閉塞・流涙症になりやすい犬種

  • マルチーズ
  • シー・ズー
  • ペキニーズ
  • ビション・フリーゼ
  • ヨークシャー・テリア
  • パグ
  • チワワ
  • ミニチュア・ダックスフンド
  • トイプードル
  • ゴールデン・レトリーバー
  • フレンチ・ブルドッグ
  • ラサアプソ
  • コッカ―・スパニエル
  • ブルドッグ
  • シャーペイ
  • マスティフ

なお、眼が大きく前に突出している犬は、後天性の鼻涙管閉塞・流涙症を起こしやすいでしょう。
目周囲の毛が長く、日常的に目に刺激を感じやすい犬種も注意が必要です。

【治療】塞がっている涙管を疎通させる

【治療】塞がっている涙管を疎通させる

鼻涙管閉塞・流涙症の治療では、原因を取り除くことが何より大切です。
異物によって発症している場合には、異物を早急に取り除き、眼への刺激を無くします。
目やにが出ていたり、細菌感染を起こしたりしている場合には、抗菌作用のある点眼薬で治療を行います。

先天性の鼻涙管閉塞・流涙症の場合は、カテーテルを使って塞がっている涙管を疎通させます。
流れとしては、麻酔をかけたうえで柔らかい針を目から鼻涙管に向かって差し込み、カテーテルを通します。
カテーテルが通ったら生理食塩水などを注ぎ込み、閉塞した鼻涙管を水圧で開通させる処置を行います。

なお、洗浄しても開通しなかったり、そもそも涙管が存在しない場合には、外科手術が必要です。
去勢手術と同時に行える動物病院もあるため、涙やけが気になる場合は早めに動物病院で相談しましょう。

【予防】外部からの刺激をなくすことが大切

【予防】外部からの刺激をなくすことが大切

後天性の鼻涙管閉塞・流涙症は、外部刺激を無くすことでだいぶ予防できます。
目周囲の毛は常に短くカットしておき、散歩時は茂みなどに極力立ち入らせないようにすること。
他の眼疾患によって鼻涙管が閉塞することもあるため、異変がみられたら早めに動物病院を受診しましょう。

なお、先天性の鼻涙管閉塞・流涙症を予防することはできません。
症状の度合いは犬にとって異なりますが、いずれの場合も発症後のケアが大切です。
もし生後2か月を過ぎたところで愛犬に流涙症の症状がみられたら、先天性の鼻涙管閉塞の可能性があります。
淡い毛色の犬は涙やけが目立ちやすいため、比較的早く発見しやすいといえるでしょう。

もし愛犬が鼻涙管閉塞・流涙症になってしまったら

もし愛犬が鼻涙管閉塞・流涙症になってしまったら

愛犬に流涙症の症状がみられたら、こまめに涙を拭き取ってあげましょう
水を含ませたティッシュや拭き取りシートなどで優しくふき取ってあげると、細菌の繁殖が抑えられます。
涙やけを予防できるアイローションもあるので、使い勝手の良さそうなものを選ぶと良いでしょう。
使用後は顔に水分が残らないように、乾いたタオルやティッシュでふき取ってくださいね。

早期発見・早期治療で改善を目指そう

早期発見・早期治療で改善を目指そう

鼻涙管閉塞・流涙症は、命に関わる病気ではありません
ですが、涙やけが出来てしまうと目立ちますし、放っておくと皮膚炎を起こす可能性もあります。
鼻涙管閉塞や流涙症は様々な原因で起こるため、早めに原因を特定し適切なケアを行うことで、改善が見込めます。
もし愛犬に気になる症状がみられたら、まずはかかりつけの獣医師さんに対処法を相談してみましょう。

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